白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

初ZINE『酒好文集』とそのほかの年末

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早いもので、2021年もあと数日。

いきなりですが私、『酒好文集(しゅこうぶんしゅう)』なるZINEを作りました。ライター仲間の泡☆盛子(あわもりこ)さんとの共作です。その名のとおり、酒とつまみと酒場がテーマ。アートディレクションはいわながさとこさん、とても素敵なデザインに仕上げてくださり、嬉しくてなりません。

 

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取り扱ってくれるショップさんをSNSで募ったところ、幸運にも各地から名乗りを上げていただけました。直販もやっております。

 

note.com

 

自由に、書きたいことを書く。自分のために書く。編成を自分たちで決めて作る。そういうことを、どうにもしたくなったんです。今思うと、コロナ禍も関係してたのかな。いつ人間どうなるか分からん、やりたいことをやっておかなくては的な気持ちもあったのかもしれません。

 

おかげさまで現在、ライターとしてお仕事はいただけています。

「こんな仕事頼むわー」という依頼には「おまかせをー」と期待どおりのボールを返せるようになっていたと思うのですが、「こんなものも作れまっせー」的に見せることをしたくなったというか。

自分からそういうことやっていかなきゃダメだな、と思ったんですね。SNSやブログとは違う形で。「まえがき」にも書きましたが、学級新聞作るのが好きな子どもだったので、あの頃の気持ちも思い出したくて。

依頼されたものを書いているだけではいけないな、と。

 

なんてことを思ったとき、友人の酒好きで素敵な記事を作り続ける泡☆盛子さんが思い浮かびました。誘ったら二つ返事でノッてくれ、共作することに。

「好き」の方向性が似ている泡さんとのコンテンツ作りから編集作業はやっぱり楽しかった。慣れない販売から発送までの手作業は大変ながらも、どこか文化祭的な感じを思い出しました。おかげさまで初刷が2週間で売れてしまい、思いもよらぬ重版です。

表紙込みで32ページの小冊子、お手に取ってくださったらうれしいです。

 

 

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先日、大阪へ行ってきました。

木津卸売市場でおいしそうな百合根と目が合い、連れ帰って百合根ごはん。市場では濃ゆい大阪弁をたっぷり耳にできて、うれしかった……。

師走の市でフグやヒラメをさばく人々の顔や表情、忘れられません。早起きしてよかったな。市場の定食屋には「粕汁」の文字が。その文字の感じ、粕汁から漂う湯気、ハフハフとすする人の動作………ああ、一句できそうと思いつつ全然うまくまとまらないまま、日本橋のほうまで長いこと歩きました。

 

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なんとなく作ってみた、百合根茶がゆ

これがヒット………! なんというのか、シックなおいしさ。そこはかとない雅味。またいつかやろう。

 

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大阪みやげに『551 HORAI』の肉団子も。

大好きなんです、これ。豚まんがひたすらに有名だけど、あれこれおいしい。海鮮焼きそばもうまいんですよー。

 

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きれいだな、と衝動買いの『鶴屋吉信』さんのお菓子。

「吉祥椿」だったかな。来年が吉祥の多い一年になりますように。

 

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冬至の日にカボチャクリームスープを。

ありもの野菜と煮て、ほどよく溶け、いい色に仕上がりました。カボチャの黄色は冬にまぶしい。

 

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グジュさん、たま子さん。

猫たちも元気ですよ。来年もどうか元気でいてください。

 

withnews.jp

そうそう、最近の仕事だとこちら。連載『名前のない鍋、きょうの鍋』で桂吉坊さんを取材しています。読んでいただけたらうれしい。師匠ふたりの思い出を軸に、いろいろなことを教えてくださいました。米朝さんが好きだった鍋はなんともシンプルで。

 

ああ、また大阪行きたいなあ。

 

どうかコロナ再拡大が最小限ですみますように。また警戒と自衛の日々になりそうですが、どうぞ皆様もご自愛ください。

 

ブログの更新がすっかりごぶさたですが、ここは来年も続けていきます。

なにとぞよろしく、お願いいたします。

 

白央篤司