白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

師走、山口県へ ~萩市・下関市

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師走に入り1週目、山口県に出張でした。二泊三日、まずは萩へ。

 

 

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夏みかんの木、あちこちに。

 

萩には文化年間にもたらされたと聞きます。明治政府樹立後、経済的に立ちゆかなくなっていた士族たちの救済目的で苗木が配布されたのだそう。

当時夏みかんは大変高価で、一説では4個程度で米一俵と交換されたとも。明治22年の記録では「収穫と苗木の販売による収益が萩全体の財政を追い越すほどだった」というから、すごいものですね。

 

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萩市内を広く車で回りましたが、本当にいたるところに点在してました。たわわに実る夏みかん、実をつけたまま花をつけ、新しい実が同時になるのだそう。

昔の名前は「夏橙」(なつだいだい)、「代々」を実をつける縁起ものとしても喜ばれたんですね。

 

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美観地区的な城下町エリア以外も、趣のある建物が実に多い。取材の合間、時間がもったいなくてずっと歩いてました。

だんだん興が乗って、あの角もあの角も曲がりたくなり。寒風何するものぞ。

 

 

 

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いきなり安土桃山時代の建物が出てくる。420年ぐらい前からあるんだなあ……。

 

 

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小料理屋やスナックが並ぶこの通りも、良い風情だった。

 

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まち歩きをしながら食べた魚ロッケ(ぎょろっけ)、うまかったな。魚のすり身の薄いフライで、中国地方、四国、九州の一部で似たようなものがあり、名前もいろいろ。

こちらのお店のはエソのみでやられているそう。かけそばにのせてもうまいだろうな。

 

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萩は県中部、日本海に面する地。

市街地より車で10分ちょいぐらいだったか、笠山エリアの半島の中腹、高台にあるホテルから眺めです。湾景というのはうつくしいものですね。朝日の前から船がゆく。

 

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そして県最大の都市にして本州最西端、下関市へ。朝の関門海峡です。

 

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向こうは北九州、門司港。思わず口ずさんだのが『港町ブルース』。

 

 

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唐戸市場を見学。

 

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下関といえばなんといってもフグ(地元ではフク)ですが、アンコウやサザエ、地ダコなどなど様々な魚種に出会えました。さすが三方が海!

 

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その後にフグの加工企業さんやクジラの加工業さんを取材。

 

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そうそう、下関の宿は国民宿舎だったのですが、畳のふちがフグでした! 

 

 

ははは、かわいいな。

 

 

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下関の宿からの眺め。朝は汽笛で目が覚める。

 

山口宇部空港にあった日本酒スタンドが最高だったんですが、それはまたの機会に。