翌朝、塩竃の仲卸市場に寄ってきました。
あ、塩竈(しおがま)と読みますよ。仙台から近い港町、8時20分に仙台駅を出発して、駅からタクシーで市場まで。朝の9時ぐらいに到着。
正面入り口を入るとすぐ、こんな魅惑の情景が。
食べられるよ! むく?
食べたそうな顔してたんでしょうねえ、すぐさま声かけられちゃいました。
まいったな。
ええ、むいてもらいましたとも。
寝起き一発目に濃厚ミネラル注入。体、起きましたねえ(笑)。
別のお店でもういっちょ。
うまいなーッ!
思い出して今、口のなかに潮の香り。
場内ふらふら。
あ! すき身を仕込み中だ。こちらはマグロ専門店の佐藤商店さん。
たまらず、ちょっと買ってしまいました。少量でも買わせてくれるのがうれしい。これで320円ぐらいだったかな。
そう、奥にスペースがあって、買ったものいろいろ食べられるんです。ごはんを買って、上にもろもろお好みで「のっけ丼」にできるシステムもあるんですよ。
売店ではビールはもちろん、塩竃の地酒も買えます。『阿部勘』、好きなんだよなあ。いっちゃいましょうか。1杯700円、なみなみ注いでくれます。
タラの白子があんまりきれいでねえ……たまらんかったですよ。味は言わずもがな。しばらく白子、食べようと思えない。舌の記憶を大事にしたくなる、そんな体験。赤貝もひとつ、目の前でむいてもらいました。
食べて飲んで、またうろついて刺激される食欲。100円の使用料で使える焼き場もあります。今度はバターとナンプラーとライムも持ってこよう。
宮城は練りもの王国でもあるんです。この種類の多さよ! そして…安い!
「包装やらパッケージやら凝ってないからね。だからこの値段で売れるんだ」
なるほど。名物の笹かまやら玉ネギ揚げやら、いろいろとお土産にしました。
そろそろ帰ろうと思いつつ、「思い残しはいかん!」とホタテを購入。
関東で食べてもねえ、やっぱり満足できんのですよ。ホタテ欲、満たされました。肉厚で、きれいで、濃いのに消え方のきれいなうま味。
最後に、食堂でシジミ汁をいただき胃をあっためました。刺身類を食べたあとはこういうの大事です。最後に市場外の漬物屋さんで白菜漬けも購入。
さあ、家に帰ろう。
塩竈(しおがま)も先の震災で大変な被害を受けました。行きの道すがら、タクシーの運転手さんに
あの高いビルが見えるでしょ。震災の翌日にこの通りにきたら、あの四階ぐらいの高さまで流された車が何台も刺さっていたんだよ。この味噌蔵は残った。あそこは残らなかった。このへんは丘があったから、陰になっていた店は残った。わからないもんだね。
いろいろと、教えていただきました。
そう、先の市場のかたがたも、話してくれている運転手さんもみんな、生き残った方々なんですよね。
そして塩竈のまちは本当に、きれいになっていた。
また来て、食べて飲んで帰りたい。
「また来るぞ宮城!」と新幹線の車窓から心で叫びつつ、『秋味』とカツサンド。
〇塩釜の市場のサイト