白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

大阪の旅 ~うさみ亭マツバヤ、会津屋、鶴橋

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世の中よりひと足早く連休を取り、大阪へ行ってきました。

26日の大阪、夏日で暑かったなあ。

 

 

 

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新大阪から御堂筋線に乗って、まずは心斎橋へ。

御堂筋線、終日「女性車両」があるんですね。間違いそうになってしまった。

改築を惜しむ声で話題になった大丸本店、いまはこんな感じです。

 

 

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まずは昼ごはん、『うさみ亭マツバヤ』さんへ行ってきました。

きつねうどんが生まれた店…と伝わります。

以前来たの、もう何年前だろう。 

 

 

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こちらがその、きつねうどん(580円)。

お揚げさんの味つけ、しっかりと濃くて、甘い。出汁もキリッと辛めながら、飲みよいギリギリの感じ。「エネルギー補給!」ってな感じですな。

 

 

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厨房をのぞけば、炊かれた油揚げでいっぱいの大鍋が。

一日に何杯ぐらい出るんだろうか……訊きたかったけれど、ランチで忙しそうだったので遠慮。滞在時間15分もないぐらいで、失礼しました。

 

 

 

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ちょっとアメ村なんかひと回りしつつ、次の目的地へ。

大学時代、父が単身赴任していたのでよーく遊びに来たのですよ。懐かしいな。UAの『甘い運命』がヒットしていたのを覚えています。

 

 

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地下鉄へ。どうして「心斎橋」という名前になったのかな?

橋というぐらいだから、昔はもっと水路があったんでしょうね。気がつかないだけで、そこかしこに暗渠があるのだろうな。

大阪、古地図片手にぶらぶらしたらどんなにか楽しいだろうと思う。上方落語が好きなので、一度そんな散歩をしてみたい。

 

 

 

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地下鉄ホームにて太平サブローさんに遭遇。

こういうの見ると「大阪に来たなあ…」と思います。この『月化粧』のポスター、いろんなところで見かけました。

 

 

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四ツ橋線に乗りかえて『玉出』で降り、『会津屋』へ。

2軒続けて元祖シリーズ、こちらはたこ焼き発祥の店と伝わるところ。

 

 

 

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たこ焼き、ネギ焼き、ラヂオ焼き(牛スジ、コンニャク入り)の3種盛り。

盛り合わせがあるのうれしいですね。

ラヂオ焼きがうまいっ。コンニャク、大阪の人にたずねると「家でつくるときもよく入れる」という声がちらほら聞かれます。クニャッとした食感が加わるの、おもしろい。

こちらは「だしを味わうために、ソースはつけないのがおすすめ」なんですよ。

 

 

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近くの商店街も散歩。旅の醍醐味です。

  

 

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ある電気店では、ウィンドウにレーザーディスクカラオケがありました。その上にはビデオデッキも。昭和はまだまだ遠くない。

 

 

 

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大阪で有名なスーパー、『玉出』へ。

ここが本店になるのかな? サイトを見ると本社が近くにあるようですが、本店というわけじゃないようですね。大阪に50店、兵庫に1店あるとのこと。

 

おいしそうなオムライス弁当が1食198円でした! さすがだなあ。「かすうどん」用なのか「牛あぶらかす」も発見。60gで303円。買ってくればよかったな、ちょっと後悔しています。自分で調理してみたかった。

 

 

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スーパーのとなりもタコ焼き店があり、うまそうだったので思わず購入。

6個280円という安さながら、美味! 『金の大王』というお店でチェーン店のよう。ボリュームがあって中がフワットロで、何もつけなくてもおいしかった。おばちゃんがひとりで焼いていましたが、その手つきのいいこと。

 

「これ、働いてからどのくらいで焼けるようになったんですか?」

と訊くと、ニヤッとおばちゃんは笑って(といっても40代後半ぐらいのかた)

「あのね、大阪のおばちゃんやからね、家でもしょっちゅうタコ焼きやるんよ。だから店に入ってから覚えたというよりもね、最初から出来たの」

 さすがだなあ。

  あたりの優しい、いいひとでした。おばちゃん、ごちそうさま!

 

 

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大阪名物、「日傘装着自転車おばちゃん」にも出会えました。

おばちゃん勝手に撮ってごめんな。

あの日傘装着部分は「さすべえ」という商品だそうです。すばらしいネーミング。

 

そうそう、心斎橋では「アニマルプリントおばちゃん」にも出会えたんだった。

「幸先がいい」

そう思ってしまいました。

 

 

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次の目的地の前に、大阪天満宮へ。

ご鎮座は平安中期、いまの建物は天保14年(1843年)に再建されたものだそう。大塩平八郎の乱で全焼して6年後に再建された…と立て札にありました。そして太平洋戦争の火禍はまぬがれたのか。

この境内にどれほどの人々が通っては過ぎてきたのだろう。

 

 

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正門を真下から。

 あの丸い十二支を描いた天井飾りはなんというのだろう?

 

 

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おまいりしてきました。

修学旅行生が周囲にはちらほら。強い日射しの下、めっちゃ元気。若いってすごい。

 

 

 

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すぐ隣には寄席があります。その名も、繁盛亭

この日の昼のキリが桂吉弥さん、もんのすごく入りたかった!しかし待ち合わせがあり、断念。あああ断腸の思い。吉弥さん、ファンなんですわー。次の機会を願いつつ。

 

 

 

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気を取り直して、次の目的地へ…の前に、天満宮のそばにある「中村屋」さんのコロッケを購入。現地の友人から「一度は食べ」とすすめられていたのです。

 

 

 

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うーん、なんともあざやかに甘い!

先の油揚げの味つけでも思いましたが、やっぱり西と東は甘さの決め方に違いが出ますね。コロッケ、冷めたときにまた別種のうまさがありそう。

 

 

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そして天神橋筋商店街で発見したショップ。壮観です。

観光客の「大阪に対する期待」にぞんぶんに応えています。いや…リアルな地元のニーズなのかもしれないけれど。ヴェルサーチっぽくも…あるかな。

ネタとして1着買おうか4分ぐらい迷いました。

 

 

 

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天満駅まで歩いて、環状線に乗り換え。

しかし天満エリア、ディープですなあ……一度このあたりもじっくり飲み歩いてみたい。『つる家』さんというお好み焼き店のたたずまい、もんのすごく惹かれたんですが、このあとを考えて断念。

次回は行くぞ!

 

 

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さてやってきました鶴橋!! 今回の旅のテーマのひとつです。

大学時代の友人が大阪に赴任していて、この日がちょうど休みということで待ち合わせました。オバラ、久しぶりだなあ。彼は大学の先生になって和歌山で教えています。

 

 

 

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友人が選んでくれた『アリラン食堂』へ。

 

 

 

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まずは生ビールを頼んで、再会を祝しました。かんぱい!!

 アテはキムチ盛り合わせから。

 

 

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つづいてナムル盛り合わせ。歩き回った体に、冷菜がうれしい。ゼンマイもうちょっと盛ってほしかったけれど。

 

 

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このニラキムチ、うまかったっす。これも甘みがきいてる。

 

 

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 そして我が好物、水キムチ!

これからの時期、たまりません。しみわたる…。

自分でも何度か作ってみたけれど、いまいちなんだよなあ。今季はまた練習しよう。

 

 

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これまた好物のセンマイ刺も頼みました。

牛の第三胃、さっぱりおいしいセンマイでしたよ。

 

アリラン食堂はビールとおつまみだけにして、ふたたび鶴橋散歩へ。

 

 

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 うろうろしていて「ここはうまそう!」とピンときた『中島屋』さんへ。

当たりでした。

 

この牛スジおでん、うまかったー!

 牛スジおでん観、変わりました。今までダメダメなのばかり食べてたんだなあ。他に頼んだホタルイカや水ナス漬け、炒めものもうまいぞっ。そして高くない。

 

すばらしい居酒屋だったな。

お昼からやっているよう、次回再訪決定です。

そしてこれまた大学時代の友人、トヨユウも仕事帰りに合流。すっかり三人、学生気分に戻って飲み会になってしまいました。近くにあった居酒屋『ぶあいそう』に移ってはしご酒。こちらもまたヒット、アタリ連続でうれしい夜となりました。

 

 

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『ぶあいそう』のおすすめメニュー。

なんてバラエティに富んだ楽しいメニューだろう。これぞ居酒屋の愉悦。

 

 

 

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すっかり酔っぱらった私をトヨユウが撮影。

このあとホテルへ。2日前にネットで予約したんですが、4500円でわりにちゃんとしたビジネスホテルが取れましたよ。ひどいときは本当に取れないと聞きますが、落ち着いてきたんでしょうかね?

 

さて、明日は兵庫の旅になります。

忘れないうちにいろいろメモしておかなければ。

 

 

オバラ、トヨユウ、遊んでくれてありがとう。

久々に話せてうれしかったよ。また会おう!