白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

久々に訪ねた西麻布『キッチン』の花鍋に興奮。

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昨夜は西麻布のベトナム料理店『キッチン』へ。大好きなお店ですが、随分とご無沙汰してしまいました。

 

オーナーシェフの鈴木珠美さんが書かれた『ベトナム葉っぱごはん』(文化出版局)、長らく愛読書のひとつなんです。店内は相変わらずのご盛況、壁は黄色に塗り替えられていました。鮮やか!

 

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まずはベトナムビールで乾杯。スペシャサイゴン、なかなかに飲みごたえあり。さて、今回は初めてコースを頼んでみました。「今までバインセオとレモングラス蒸しは何度か食べたことがあるので、それ以外で」というリクエスト。

 

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まずは揚げ春巻きが出てきましたよ。

 

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サラダ菜でパクチーやミント、バジルと一緒に巻きます。中には蟹肉&豚ミンチ、春雨入りのあんがみっちりと。あと5個ぐらい食べたい(笑)。

 

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続いて、ゆで豚とハーブ類がたっぷり。これらをライスペーパーで巻きます。

 

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さて、この「あみあみマット」なんだと思いますか? ※ちなみにレンコンの形をしたものは『キッチン』オリジナルコースター。かわいいね。

 

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生春巻き用のマットなんです。この上でめいめい好きな具をとり、その場で巻く。

 

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先日、きじまりゅうたさんの料理教室で生春巻き習ったのが役に立ちました。このあみあみマットの上だと実に巻きやすい。皿だと皮がくっついてしまうんですね。オーナーの鈴木さんがベトナムで買われてきたのだそう。

 

体内にどんどんハーブが入っていく。いろんな香りが鼻に抜けていきます。

 

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お次は、エビの青豆衣揚げ。青豆衣って初めてでしたがカリカリサクサク、実に軽い食感に。ベトナムではおなじみのスタイルだそう。

 

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レモン汁にコブミカンの葉の千切りを漬けたタレでいただきました。さっぱりしていいなあ。白身魚の刺身なんかにも良さそう、真似してみたい。

 

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ベトナムのうつわ。

 

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ベトナムのれんげ。ベトナム各地でいろんな焼きものがあるんだろうなあ。

 

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箸置きがまたかわいいんだ。そのうえとても使いやすい。

 

さて、メインディッシュです!

 

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華やかですねえ……出てきた瞬間、息をのみました。サプライズ!

『花鍋』というのだそう。ミョウガの花、ズッキーニの花、オクラの花、花ニラ、金針菜のつぼみ、プラスきのこやエビ、イカ、ノコギリコリアンダーパクチーファラン)などが具材に。

 

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それらをエビだしのスープでゆがいていただきますよ。辛さはなくて、穏やかに甘いあっさりスープ。独得ですね。レモングラスやコブミカン葉で香りづけがされていて、やさしいトムヤムクン的なスープでした。

うーん、この味に迫れるわけもないけれど、この秋にぜひ自宅でもトライしてみたい…! 目にも楽しい、ワクワクするような鍋でした。最後はフォーを入れてシメ。

なのですが。

 

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やっぱり『キッチン』に来たら、オリジナル生春巻きも食べたい!  ということで1本、別にオーダーしました。

 

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左側の白い厚いの、分かります? 米粉を焼いたもので、これが入ることでむっちりした食感が加わり、おいしくなるんですよね。頼んでよかった。

 

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デザートに紫芋のチェー。ハスの実、チョコクランチ(的なもの)、ゼリー、タピオカ入り。やさしい甘さで軽く仕上がっていて、ラストにピッタリでした。

 

ああ、ごちそうさまでした!

久しぶりに上田さんと会えてうれしかったな。雨も止んでくれて、いい夜だった。