白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

平成の終わり1日前、親採りの山菜をたっぷりと楽しむ

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「山菜を採ってきたよ。いるかい?」

父からメールが届き、「もちろん!」と返しました。そして翌日。

ははは、うちが二人暮らしというのを完全に無視した量ですね(笑)。ちょっとおののきつつも、ともかくも下ごしらえ。水で洗って、ゆでるものはゆでちゃって。しかしタラの芽、すごい量だなあ。

 

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まずは花ワサビ、サッとゆがいて甘酢漬けにしました。沸騰したら水を差して、ちょっと温度下げてゆでるのがコツなんだそうな。

だんだんと茎の色素が出て、漬け地が薄紫色になるのがきれいなんだ。まだいっぱいあるので、残りはちょっと遊んでみます。細かく刻んでタルタルソース的にしても面白そう。食材図典引いてみたら、ワサビもアブラナ科なんですね。

 

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そしてタラの芽はやっぱり、

 

 

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天ぷらに。

 

揚げもの上手のしま食堂さんが遊びに来てくれたので、お願いしました。

 

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ああ……香りが濃いッ! そして揚げ具合がさすがプロ、絶妙でもうねえ。働かせちゃってごめんよ、しまさん。

 

 フト「漢字だとどう書くんだろう」と気になりました。

 

と書くのか。

山菜採りの名人・戸門秀雄さんの本によるとタラは「ヘビノボラズ、トリトマラズ」の異名もあるそう。あのトゲトゲの木を見れば納得です。

 

 

 

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こちら、しま食堂さんの名物・春巻き。以前にちょっとお仕事手伝ったことがあり、「そのお礼に」と作ってくださいました。フキノトウとエビ、アボカドがみっちり。皮は2枚巻き、エビは先に加熱しておいて、皮がきつね色になったら上げてちょっと休ませる。なるほどー、料理上手の作るさまを横で見られるのは幸せなことだ。

本当にごちそうさまでした、しまさん!

 

 

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そしてこれ、初めて食べました。雪笹という山菜だそう。

 

 

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父のすすめに従って、おひたしに。サッとゆがいて、白だしとみりんで漬け地にしました。クセがなくて歯ざわりがよくて、いいもんだなあ。お味噌汁にもよさそう。いや、ニンニクとオリーブオイルでサッと炒めたのも食べてみたい。

 

 

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行者ニンニクは合い挽き肉と一緒に、花椒とラー油で炒めてみました。四川風にしてみたかったんですよ。うん、やっぱり相性いいぞ! 白いごはんがほしくなる。

 

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ノビルはゆでて味噌で。久しぶりだなあ、ノビル。好きなんです。これぞ野の味だ。

 

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コゴミは自分で食べたくて買っていたもの。甘めのゴマ和えにしましたよ。

 

 

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しま食堂さんの手みやげ、おいしいフルーツトマト。そのままでもいいんだけど、黒酢とたっぷりの刻みネギ、ゴマで和えものにしたくなり。もっと細かく刻んでそうめんと和えてもおいしいだろうな。

 

ツレの友人も来てくれて、山菜をイキのいいうちに食べてもらえてよかった。そしてまたよく飲みました。よきかな、よきかな。

 

 

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そんな人間たちをよそに、グジュはぐうぐう寝ております。

 

 父さん、山菜をありがとう。ご馳走さまでした。