羽田空港、久しぶり。
3日の昼すぎ、高知に向かいました。
いろんなところに龍馬。高知に来ましたねえ。まち中でいくつ龍馬を見つけられるか数えてみようと思いましたが、そんなことしに高知に来たのではありません。「食の高知らしさ」を早速探してみます。
商店街をうろうろ。各お店でいろいろ撮らせていただきました。
あ、ブシュカンがありますね! 高知県を代表する柑橘といってもいいのかな。スダチよりも酸味がやわらかで、まろみのある酸っぱさ。このあとスーパーも数軒回りましたが、どこでも置いてありました。
ブシュカンというと手の形をしたものを思われるでしょうが(だから漢字で、仏手柑)、こちらは丸仏手柑というのだそう。
柑橘といえば、こちら小夏も高知の特産。日向夏と同種ですが、宮崎産のものより小さく、さらにはよりおだやかな味わい。
小夏、って名前がいいですな。岡田茉莉子さんの映画シリーズを思い出す。
大橋商店街にある『フルールの大橋屋』さんで、小夏の生ジュースをいただきました。すっきり、さっぱり、なんとも爽やか。ああ、疲れが吹っ飛びます。胸がスッキリする。うーん…二日酔いの朝に飲みたい(笑)。
あるお惣菜店の棚にはウツボのたたきと煮こごりが。高知の人はウツボ、お好きですね。
居酒屋のメニューにもよく登場します。明日のブログにも登場予定。
メヒカリは高知でも食べられるのですね。福島の海側でもおなじみの魚。これは干物ですが、生をから揚げにするとうまいんだ。
「こっちでも揚げて食べるよ」とお店の女将さん。
フカの鉄干し。サメの塩干しのことで、表面が硬くなることからこういう名前になったよう。知りませんでした。スーパーなどでも「てつ干し」として数軒で見かけました。あぶって一杯やりたいですねえ。
高知といえばカツオの国。こういったカツオのお惣菜がいろいろと売られていました。チチコ(心臓)の煮つけ、ハランボ(腹身)の焼いたのや軽く干したの、ゆで節(いわゆる、なまり)あり、いろんな味つけでレトルトパックのなまりもあり。とある店ではカツオの炊き込みゴハンも売られていましたよ。
おびやまち、という名前がまた素敵ですな。
通りすがりで見つけたメニュー、冷やしあめサワーが気になりました。冷やしあめは、関西でおなじみのショウガドリンクのこと。聞けば高知でも飲まれるようですね。
歩いていてあちこちで見かけた、ソテツ。大きいのあり、小さいのあり。木はまちの「顔」をつくる大きな要素のひとつですな。
東京でも大切にされてほしい…と、オリンピック「整備」とやらのことを思い出しました。
南国市『風月』へ
さて、夕暮れより土讃線に乗って南国市(なんこくし)のお店にやってきました。後免駅で降りて徒歩10分もかからないぐらいの、居酒屋『風月』さん。若女将が知り合いで、西日本の食べもののことなど今迄いろいろと教えていただいていたのです。
『風月』さんのブログ、高知のうまいものいっぱいで楽しいですよ。
まずはやっぱり、カツオのたたきをいただきました。
なんとも身が厚い! これ、スーパーなどでもそうなんです。そして高知を離れると隣県でもグッと薄くなる、というより関東で普通に売られている厚さに。今回の旅で実感しましたねえ。
こっちの人間はカツオにうるさいき、スーパーでもなかなかいいカツオ売りよるやろ。薄かったりおいしなかったら売れんよ。
とは、別のお店の女将さんの談。土佐弁の聞き取り、間違ってると思いますがそこはお許しを。
こちらはナスのたたき。
どちらにもついているのが、先に紹介したブシュカン。酸味がきつくなくて、絞るとおだやかに食欲をさそってくれます。薬味たっぷり、柑橘で酸味をそえて軽く塩でいただくのは栄養的にもいいかもですね。もちろん醤油やポン酢つけすぎたら難しいけれど。
これは別のお店のメニュー、高知はなんでもたたくなあ。とある店の看板には「無農薬のワラで焼いています」という文句が躍り、そういう訴求もあるのだなと感じ入りました。
話を『風月』に戻します。おすすめでいただいた、ニラの梅和え。食感が良くて、なんともみずみずしい。ニラも高知の特産品のひとつです。各飲食店のメニューでニラ、花ニラの文字をよく見かけましたよ。こっちで食べるとニラ感、けっこう変わると思います。
お酒もいただき、若女将さんともたっぷりとお話できました。ネットでの知り合いだったので、今回が初の対面。彼女は九州から高知に嫁いできたので、高知ならではの食文化に対してまた発見が多いのですよ。本当に食べものに詳しいかたで、いろいろと勉強になりました。
歓待してくださった『風月』の皆さま、ありがとうございました!
お店を後にして、近所のスーパーを2軒はしご。
さて、『サンシャイン カルディア』『ナンコクスーパー』ので気になったものをメモ。
- 干しズイキ、そして芋の茎(生)が売られている
- やっぱり鰹節、削り節の棚、面積広い
- いのししコロッケ
- カツオのたたきの厚さ
- カツオと負けないぐらいの面積で太刀魚の切り身が売られている
- ソース棚、小麦粉棚の充実。お好み焼き文化を感じる
- 金ちゃんヌードルが特売で大きく積まれる(メーカーは徳島県が本拠地)
- あおさ海苔入り豆腐、カツオだしのところてん、ピンクすまき。この3つはほかのスーパーでも確実にあり売り面積も大きい。定番の人気を感じる
- 弁当にルーローハン、シシリアンライスが。高知うんぬんより、この店の料理主任が遊び心を感じる。かなりおいしそうだった
- 煮干し、丸干し、ちりめんじゃこ類の充実と品数の多さ
- ホンビノス、こちらでも売られているのですね
- おでん用牛スジ串あり
後免駅のこの表示がなんかかわいくて、つい撮ってしまいました。土讃線に乗って、高知駅に戻ります。
居酒屋『大吉』
『風月』のご主人が「高知らしいものが食べられるよ」と教えてくださった、高知市街の居酒屋『大吉』へ。ツイッターなどで他のかたからもおすすめされました。
まずお願いしたのが、イタドリの炒め煮。メニューには「高知県民が大好きな山菜」とあります。スカンポ、というと分かる人も多いかな。春先に出たものを塩漬けや冷凍にして一年中食べられるのだとか。パリッとした食感が独得ですね、味つけはダシに酒、醤油でしょうか。
酒は『土佐鶴』で。高知駅前の『庄や』店頭には大きな土佐鶴の樽が置かれていたなあ。今回2日間で数軒まわりましたけど、『土佐鶴』と『美丈夫』が二大ポピュラーのようですね。
そしてメヒカリのから揚げもオーダー。そのほかチャンバラ貝(高知の居酒屋さんでは定番の貝、塩ゆでが基本のよう)、ウツボのたたき、カツオのハランボ塩焼きなど、高知らしいものがたっぷりと品書きに並んでいました。
全部食べたいけど、今回はここまで。腹の限界を守るのも旅先では必要なことですな。
ごちそうさまでした。こちらの店員さんもいろいろと教えてくださいました、ありがとうございます。
こちらは別のお店のメニュー。マンボウの天ぷらの文字がありますね。土佐ジローは高知のブランド鶏。土佐巻きはカツオの入ったのり巻きです。ニナ貝はシッタカのことで、これは各地で食べられています。
さて、ホテルに帰って寝るとします……。
と思いつつ。
昼間通りかかって気になっていた、こちらのバーへ行ってみました。
『drink like a fish』なんてサブタイトル、惹かれるじゃないですか(ガブ飲みする人、の意)。ちょうど帰り道、店から出てきたお客さんがいたので「行くべき?」と訊いてみたんです。
ノリのいいマスターやき、ぜひ! 楽しい人よー
と、お姉さん。こりゃ行ってみようと、ね。
こちらがそのマスター。
本当に楽しいひとでした。
この繁華街のこと、うつり変わり、高知人の気質のことなど、いろいろ胸襟を開いてお話してくださいましたよ。ショットバーで値段も手ごろ。ヒロシさん、ごちそうさまでした。
明日は高知2日目編。