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白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

郷土の食、健康と食をテーマに書いています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『にっぽんのおにぎり』『にっぽんのおやつ』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)。2016年10月に『にっぽんのおかず』が発売になりました。3部作完結!

人形町『ピッツァ ダ バッボ』、そして中村歌江さん追悼

 

 

きょうはいつもの食メモと、俳優さんの思い出を記しておきます。

 

 

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先日、人形町のピッツェリア、『ピッツァ ダ バッボ』に行ってきましたよ。

秋につくる本の打ち合わせを兼ねて、編集さんに連れていっていただきました。

ふかふかだけれど食べやすいピッツァだったなあ。

はじめてのお店だと、やっぱりマルゲリータを選んでしまいますね。

 

 

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菜の花やホワイトアスパラ、ホタルイカなど旬がたっぷりのサラダ。

季節のものが“ワンサカ入ってる!”というのは、なんともテンションが上がりますね。

今度、アスパラ・パーティしたいなあ。

 

 

 

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忘れがたいのが、こちらデザートです。

自家製アイスをブリオッシュでサンドしたものなんですが、

なんかこう…ワイルドさが嬉しかったですねえ!(*´ω`*)

気持ち、こどもに戻って「わーい」という感じでかぶりつきました。

種類もいろいろ、シンプルにバニラを選びましたが、

編集さんが選んだ甘酒味もおいしかったです。

甘酒、女性に人気ですね。

 

ごちそうさまでした。

いい本つくるべく、がんばらねば。

 

 

 

 

さようなら、中村歌江さん

歌舞伎俳優の中村歌江=なかむら・うたえ=(本名・中山幸男)さんが26日、肺炎のため、都内の病院で死去したことが27日、発表された。83歳。東京都文京区出身。 (デイリースポーツ WEB3/27版より)

 

 

歌舞伎の中村歌江さんの訃報を知る。

不世出の名優、六代目中村歌右衛門のお弟子さんです。

梨園の出ではないけれど、異例の出世で幹部までになられたかた。

 

私などはビデオ(という録画再生機があったのですよ)でなじんだ

歌右衛門の『道成寺』、なんともあざやかな引き抜き後見でこのかたを知りました。

「す、すごい…マジシャンみたい!」というのが最初の強烈な印象。

小柄な歌右衛門を長身の歌江さんが引き抜くと、効果が倍になって見事なんです。

「あんなに後見がうまい人って、誰なんだろう」と思ったんですね。

踊りをやっていたので、つい興味がそっちにいってしまう。

玉三郎さんの引き抜きも見事だけれど、あそこはかなわない。 

 

 

 私は大学に入って歌舞伎を熱心に見るようになりました。

歌江さんといってまず思い出される役といえば…

『鑑獅子』の出の局とか、『一本刀土俵入』の酌婦とか、

いわゆる大きな役ではないけれど、「目に馴染み」なんですよね。

そういうかたがいなくなってしまうというのは、さびしい。

 

一度だけ、このかたが主催されていた

「幻一座」という会に連れていっていただきました。

(「まぼろし一座」という表記だったかもしれない)

歌江さんが座長になっての、お遊びイベントです。

普段は古典に生きる彼らが、演歌舞踊や洋モノ演芸などの「裏芸」を披露する会。

 とはいえ歌舞伎仕込みですから豪華で立派で、それはそれは見ものなんですよ。

圧倒されたなあ…。ちょっとね、歌舞伎の原点的な強いエネルギーを感じましたよ。

もう徹底的に見るものを楽しませる。

日頃はずっと並び腰元、もしくは後見でジッと控えるのが彼らの本職。

それが主役で、チャリ(おふざけ)も入れての会なわけです。

汲めど尽きせぬ…という感じで芸と娯楽性があふれてくる。

元々は「河原者」の歌舞伎役者。

こういうところから歌舞伎って、洗い上げられていったんだろうな、とも思ったり。

 

 

俳優祭の幕間演芸タイム、「歌江一座」も楽しかった。

そして声色芸は言うまでもなく。

と、こんな余興のことばかり書いているのは失礼ですね、

本芸、つまりは歌舞伎本道の実力があればこそ。

歌江さんに興味をもたれたかたは、ぜひ関容子さんの『花の脇役』をお読みください。

 歌舞伎というものを描いた随筆の中でも本当に楽しい一冊です。

 

あらためて、合掌。

歌江さん、どうぞ安らかに。

一緒に撮っていただいた記念スナップ、大事にします。