朝ごはん、ホテルのバイキングで太平燕(タイピーエン)。そして、
だご汁。
熊本のローカルフードをいただき、満足(それぞれどんな料理かはよかったら昨日のブログを参照してください)。
ホテルはおなじみ、ドーミーインを取りました。全国各地、安定のクオリティ。お風呂の楽しみがあるのがいいですな、やっぱり。部屋の設備もいいしね。朝食バイキングは各店それぞれ郷土料理を出しているけれど、中目黒なんかはどんな内容なんだろう。
朝食後、ホテル周辺を散歩していて気になったお店。HPをのぞいたら、ランチは「濃厚な風味の馬肉のホルモン煮込み定食が大人気」とある。気になるなあ……またのお楽しみだ。
熊本、次回は天草をたずねたい。昨夜、『ワイン食堂 トキワ』のご主人からもいろいろ天草に関してアドバイスをいただきました。ありがたい。
ホテル近くにあった居酒屋の看板、「かりかり揚げ豚足」というのも気になりますな。
昨日、とある惣菜店でも揚げ豚足を見かけていたのでした。ちょっと熊本のひとにヒアリングしてみます。
そしてチェックアウト、熊本ドーミーインはなんと熊本駅までだったらタクシーで無料送迎してくれるのです。ありがたや、他のお客さんと乗り合いで向かいました。
この日もよく晴れてくれました。
駅の立ち食いでいただいた、馬肉うどん。甘めに味つけされた馬肉に、甘めのおつゆ。ワカメが予想以上に磯香がする。
甘いんだけど重たくなくて、するする入りました。このおつゆ、自宅で熊本の調味料で作ってみてもなーんか違うのですよね。風味とはまさにこのこと。
さて、JR佐賀駅に着きました!
新幹線で新鳥栖駅まで行って、そこから長崎本線に乗り換えてトータル70分ほど。佐賀駅に来たのは初めてです。
佐賀駅を背にしてまっすぐの道を歩き、まちの中心部へ。道沿いの建物がなかなか洒落ていて、たのしい散歩となりましたよ。うつわの専門店や、飲食店、郷土玩具のお店などが心に残ります。
「唐人一丁目」なんて地名がいかにも、ですねえ……。『唐人お吉』ってのは佐賀は全然関係ないんだよな、なんて思いつつ、このあたりをぶらぶら。
ちなみに唐人町の東側が愛敬町という名前で、これまた印象的。仏頂面のひとが住んでたらおもしろいなと妄想しつつ。さらに東が「大財」、戻って唐人町の西には「天神」「多布施」「神野」「神園」と、縁起の良い地名が続いていました。
『ばってん酒蔵』というお店のメニュー、惹かれました。「わらすぼマヨネーズ」なんて興味津々だ。今回は佐賀で夜を過ごさないので、次回にうかがってみよう。
風情のある店構え、ゆれる白暖簾にさそわれてのぞいた『八頭司伝吉』という和菓子店。大正10年創業というから1921年、もうすぐ100年目を迎えるんですね。
店員さんが「お茶を一服どうぞ」ともてなしてくださいました。
佐賀県の名物菓子、小城羊羹(おぎようかん)のひと口サイズをいただけて、うれしかった。口に含めば、吹いた砂糖がシャリッと音を立てます。
おみやげに「ぼうろ」を求めました、お茶の右手に映っているものです。こちらも佐賀を代表する菓子で、もともとは長崎に来航していたポルトガル船員たちの保存食だった、なんて話も。『八頭司伝吉』の「ぼうろ」はなんともやさしい、穏やかな甘さでした。 小城市にあるという本店にもいつか、行ってみたい。
さて、また駅前の通りにもどって散策。この建物、妙に好きでね。上の窓の感じがすごくいい。
ちょっと裏道に入って見つけたバー。ここで一杯やりたかったな。
しらやま名店街を入ってみれば、
お、ありますねシシリアンライス。
別の販売店ではお惣菜コーナーにも。肉を甘辛く味つけして、サラダと一緒にごはんの上にのせて、マヨネーズをかけたもの、というのが基本形。お店ごとにバリエーションがいろいろあります。
シシリアンライスについて佐賀市の人々はどんな印象、イメージがあるのか知りたくて、佐賀駅で降りてみました。いろいろ聞き込みしてきましたよ。
名店街をさらに進んで、スーパーマーケットを発見。
- ちくわサラダ、佐賀のお惣菜コーナーにも
- 辛子レンコン(ちぎりタイプ)、佐賀のスーパーにも。
- とんそく煮、やっぱりこっちも売られてました
- クジラの塩漬けが魚介コーナーに
- さらしクジラも人気のよう
- お酒売り場、「焼酎:日本酒」の比率が「3:7」ぐらい
- シイラが「カナヤマ」と呼ばれている
- ピーナッツ豆腐、ゴマ豆腐が豊富
といったところが印象的。あと、
「くちぞこ」、シタビラメがポピュラーなんですね。撮らせていただきました。
赤と黒があって、どっちかというと黒が人気だね。赤はちょっとクセがあるかな。いや、それも好き好きで人によるけどね
と、鮮魚コーナーの店員さん。
ムニエルもいいけど、煮つけにするとおいしいのよ
と、通りがかったお客さんにも教えていただきました。ありがとうございます。岡山でもよく食べられますね。あとで出てくるけど、エツも向こう食べるんじゃなかったかな。
瀟洒な教会が。日本のキリスト教伝来は1549年に鹿児島だったっけか……「いごよく(=1549)広まるキリスト教」なんて、頭の片隅にこびりついてるものですね。
佐賀にはどうやって広まってきたんだろう。
教会の近くにあったデパート、『佐賀玉屋』。この場所では昭和40年(1965)から、前身となる店は文化3年(1806)に開業とHPにあります。老舗なんだね。
地下の『小松鮮魚』さん、有明の幸がいっぱいでした、撮らせていただいた上、いろいろと教えてくださいました。ありがとうございます。
なじみのないものがいっぱい、しばしご覧ください。
バイ貝をべー貝と呼ぶのですね、宮崎でもこう呼ぶ、と聞いたことが。
わらすぼの干したの。
わらすぼは有明海のみに生息するハゼ科の魚で、目が退化し、牙が目立つ結構なインパクトのルックスなのです。ご興味のあるかたは検索してみてください。
食用についてもいろいろ店員さんたちにうかがえました。
サルボウ貝はこのまま煮ものなどに入れるそうです。缶詰の赤貝の原料。
小松さん、ありがとうございました。勉強になりました。
ふと出会った理髪店、まるでビストロのようなたたずまい。実際店名もフランス語で書かれてます。洒落ているなあ。
もう1軒スーパーへ。ユーミーマートではなく、「ゆめマート」なんですね。HPを見てみればもともとは熊本の会社なのだな。
九州、という感じですねえ。
買い物しつつ、シシリアンライスのことを地元のかたにいろいろ聞き込み。もともとコックさんだったという店員さんが詳しくあれこれ語ってくれて、思わぬ収穫。
学校給食で出るそうで、若い世代ほどなじみのあるもののよう。
40代から上は完全に「外で食べるもの」「家では作らない」という意見が多いけれど、20代は「家でも作りますよ」「簡単だし」「肉だけ焼肉のたれで焼いて、コンビニサラダをのせてマヨで完成」といった声が聞かれました。30代のかたは「子供にリクエストされて作ることがある」とも。
お忙しいところ皆さま、ありがとうございました。
そうそう、ここでも「このしろ」の刺身パックを見かけたなあ。
佐賀駅から徒歩30分内、うるわしい建物が多くて本当に散歩がたのしかった。歴史ある建物、多いですね。ここは徴古館(ちょうこかん)という佐賀藩主だった鍋島家の歴史資料館だそう。残念ながらお休みでした。
徴古館近くにあったおまんじゅうの専門店。
その隣にある佐嘉神社から松原神社にかけての景色、なんとも美しく。水辺では白鷺が昼餉を探していましたよ。
撮らずにはおれなかった建物。
何かのお店だと思うんだけど、どんな営みがここで行われていたのだろう。いや、現役なのかもしれない。誰かに聞いてくればよかったな、後の祭りだ。
柳町のあたりは江戸から大正にかけての建物が点在する歴史的建造物エリア。無料で中に入れるところもありましたよ。
長崎と小倉をかつて結んだ、長崎街道。この街道から砂糖が全国に広まったことから、「シュガーロード」の異名があります。
当時の道幅はいかほどだったろうか。かつてはラクダやゾウなんかも通った、と立て札にありました。運ばれた砂糖が九州各地で、現在の伝統菓子になっていったんですよね。先の「ぼうろ」はどんなふうに地元の人々に広まっていったんだろう。そしてどんな創意のきらめきが、工夫の試行錯誤があって、今の形になっていったのか。
そんなことを考えつつ長崎街道を歩いていたら、女子中学生かな、数名が創作ダンスの練習中。かつては同じような年ごろの子が、路傍の茶店で働いていたかもしれない。
旅も終わり。
博多に移動して、飲んで帰ろう。
中州・人形小路の『一富』へ開店と同時に訪問。来てみたかったんです。
博多に来たのだから、やっぱりサバの刺身は食べたいッ。「ごまサバ」ならぬ、すりごまをまぶして醤油でいただく「サバごま」をお願いしました。
「まずは」と頼んだサッポロ生ビール、格別だったな。よく歩いたもんなあ。
「おきうと」も注文、香りと食感がよかった…「もちっ」と「つるっ」の中間ぐらいの微妙な食感で、ほのかに海の香り。海藻のエゴノリとテングサが原料で、煮溶かして固めたものです。
博多では昔、朝になるとよく食べたもんです。朝ごはんのおかずでしたね。おきうとは。
と、ご主人が教えてくれました。語源も様々ですが、飢饉の時の食物だったことから「救人」で「きゅうと」となったなんて説があり、心に残っています。
他にもいろいろ食べたかったけれど、もう1軒寄りたいので涙を呑んでおいとまを。ごちそうさまでした。
櫛田神社すぐ向かいの『博多べい』というお店に移動して、
がめ煮と、
きびなごのぬか炊きをつまみに、一杯やってきました。
きびなごのぬか炊きのまあ……うまかったこと! いま思い出して恋しいことこの上なく。福岡でも小倉のほうの郷土料理と聞きます。イワシやサバなどを煮魚にする要領で煮て、漬物のあの「ぬか」と一緒に仕上げるんだそうな。味の想像、全然つかないですよね(笑)。なぜこれが広まらないのか? 今度は作ってるところを見せていただきたい。
さあ旅も終わり、思い残すことはありません。いや、やっぱり酢モツも食べてくればよかったな……(笑)。
今回は「ほどよく飲み、食べ過ぎない」ということを終始実行できた、記念すべき旅になりました。「そうそう来られないから」で無理すると、結局最後のほうで体調崩しちゃうんですね。味わうものもきちんと味わえなくなる。帰宅してからも支障が出るし。「鉄の胃袋」を持ってるわけじゃなし、自制しました。どのまちでもホント、食いだおれしたかったけれど!
私は主に東で育った身。機会をしっかり作って、西の食文化をもっともっと体験していきたいと思っています。
おみやげにしたあれこれ。
そしてただいま、グジュさん。