白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

和歌山の旅

いきなりですが、和歌山城の石垣から。

風情と風格があって、緑が多く、苔むす様も絶妙ですばらしかったな……。

 

何よりお城が和歌山市街の中心部にあって、現代の営みとまさに隣り合っていることに感じ入りました。昔からなぜか石垣が好きで、あると眺めてしまいます。特に詳しいわけでもないんですけどね。

 

さて今回は、先日の和歌山出張メモです。

 

 

こちらも和歌山城から、二の丸と西の丸をつなぐ「御橋廊下」なるもの。

しばし見入ってしまいましたよ、木造と瓦の迫力たるや。平成18年に修復されたものだそうです。

 

 

先のお城は和歌山市ですが、ここからの写真は隣の隣である有田市、箕島(みのしま)というところ。

駅から徒歩ですぐのところに有田川が流れ、海へと流れていく河口のまち。島とつきますが島ではなく、半島的なところでした。

 

川ぞいから海にかけてをじっくり、歩いてきましたよ。

港町の景色、しばしご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

この近くをおばあさんがひとり、道沿いに椅子を出して座っていました。

 

有田川と海が交わるあたり。

 

 

 

この景色を見たとき、どうにもヴィム・ヴェンダース監督の作品が思い出されてならず。特にどれ、というわけじゃないんですが。1時間ぐらい、人のほとんどいない道をひたすらに歩いてきたからかもしれません。

 

向こうは海、そして道はずっとまっすぐに続いていました。

 

『まわり道』と『さすらい』をもう一度観たいと思いつつ、時間が経ちっぱなしだ。

 

 

 

しらす加工場。

煙突から、しらすを煮るいいにおいが漂って、なんともねえ……誘われましたよ。すぐそばの紀伊水道しらすの漁場なのだそう。

近くに2軒ほどしらす専門店もあり、おみやげにいろいろと衝動買い。面白いもの、見つけましたよ。

 

 

ふと角をまがれば、白い彼岸花が。

近くの田んぼは稲刈りの真っ最中。稲が刈られるとき独特の香り、久しぶりだ。いいもんですね、あれは。

 

 

この向かい、田んぼなんです。

一瞬しか見えなかったけど、鶴がいたような。私の気配を感じた瞬間に飛んだのではっきりとは見えず。白黒のツートンで鶴のような形に思えた、というだけなんですが、あれは何だったのかなあ……。

(後日、ツイッターで書いたら「こうのとりでは?」というご意見をいただきました。写真を見て納得。タンチョウヅルは調べたら北海道にしか生息してないようですね)

 

 

箕島駅そばの食堂で食べた、タチウオ丼。

 

箕島はタチウオが昔から名物で、よく食べられてきたそうです。切り身に衣をつけて焼き、甘辛いタレがからめてありました。おいしかった……!

 

和歌山名物、梅干しが添えられているのがまたいいアクセントでね。

真似して作ってみます。

 

和歌山市でもタチウオ、いただいてきました。こちらはたたき。皮がキュッとしつつ身は柔らかくて、淡泊な味わい。40年前ぐらいはそれはそれはよく紀伊水道で獲れたそうですが、現在はかなり漁獲量落ちているとのこと。

 

今回はタチウオに関するあるものを取材してきたんです。

和歌山で実際売られているところ、地元で様々に食べられている様を体感できて、よかったな。

 

彼岸花が咲いて、ちょうど早生みかんが出始めるかな…という頃の和歌山でありました。山の斜面のみかん畑、もっと近くて見たかったけれど、また今度。

 

通販生活』別冊

最後にちょっと、仕事のお知らせを。

通販生活』別冊の「益軒さん」という冊子に寄稿しています。

 

「日本各地で印象的だった麺ものについて書いてください」というご依頼。ありがたや。兵庫・岩手・大阪・山口・秋田からそれぞれ1つずつ書いています。

しかし随分大きなタイトルにしてくれましたね。感謝。

 

通販生活』の会員さんしか読めないんですが、お取りになってる方はチェックしてみてくださいね。

 

最後に、和歌山城ですれ違った猫を。

では、おやすみなさい。