今年の春も、父が青森の山菜を送ってくれました。
ありがたいことです。
新刊『台所をひらく』でも書いたんですけど、普段はめったに揚げものって私はしないんですね。ただ春は別。山菜はやっぱり揚げたのも食べたい。いや、まずは揚げて食べたい。
さあ、今回も大鍋に油を入れて火にかけ、準備しますか。
こしあぶらもたっぷり送ってくれて、嬉しくてほくそ笑んでしまう……。
こしあぶらはわりに苦みも強いんですけど、揚げるとほどよく和らいで、いいものですね。噛んで飲み込めば、野趣が鼻から抜けていく。
マルエフのビールと一緒に楽しみました。
先のたらの芽も太さ、ほっくり感、深みのある苦味……抜群でした。
「おいしいねえ」と思わずツレが声をあげて。春のよろこびです。
太いといえば立派なうども送ってくれたんですよ、香りが実に素晴らしかった。うどの香りの独特さ、その大人びたかぐわしさは格別のものと思いますが、なかなかそんな香りのうどには出合えない。
そのままでいいんですけど、オリーブオイルを足してみたくなり、塩といただきました。うまいッ。
行者にんにくは反射神経で毎度豚と炒めてしまう。
香りの強いもの同士、よく合いますね。シンプルに塩と酒で炒めて、仕上げにごま油ちょい。今度は羊とクミンで合わせてみよう。
うどの芽、はじめて食べます。
とりあえず揚げてみましたが、うどの香りの濃縮体でした……!
いいですねえ。
さっとゆでてナムルに、あるいは蒲鉾や玉子焼きなんかと一緒に巻きずしにしてもいいだろうな。
かき揚げを作ったのはいつぶりだろう。
このお皿によく合いましたね。
翌日、作りすぎた天ぷらはおうどんの具に。
これがまた楽しみなんだねえ……こたえられませんな。
あ、そうそう。
立派なうるいも入ってたんだった。じゃこと炒めものにしましたよ。オリーブオイルと醤油ちょい、塩少々。あまっていたしらすも入れちゃえと加えましたが、かなり良かったです。
ここからは山菜は関係なく、連休中に作ったものシリーズ。
タコといちごとトマトのハラペーニョドレッシング和え。池袋『ラシーヌ』で買ったピーマンとハラペーニョのメキシカンドレッシングがとてもおいしい。たこや果実と妙に合います。
エビとベビーホタテ、セロリやパプリカの炒めもの。
確か、にんにくとハーブ塩で炒めたんだったかな。みんなと飲みつつ、適当にそのとき手が動いた感じで作っているので、詳細は忘れております。。
友人が新刊のお祝いにくれた紫藝醸造『翠翠 スズブラン』、おいしかったなあ。W君いつもありがとう。
仕事の記録もひとつ。
CREAの連載、セブンの冷凍食品「鶏むね肉とブロッコリー」が便利で、これは料理ビギナーの方の「教材」にいいんじゃないかと思ったんですね。
何か1品を足して1食にする、「こんなのどう?」な例とレシピを詰め合わせております。わりに読まれて反響ありました。ぜひぜひ。
あ、そうだ。焼酎のソーダ割りのすすめ、なんて記事もかなり読まれたのですよ。
芋焼酎や黒糖焼酎に麦焼酎、なんでもいいのですが、「あれ、こんなに焼酎のソーダ割りっておいしいんだっけ?」と感をあらためました。
布施さんのやり方を守るとホント、おいしいのです。この夏にぜひ。
連休の最初のほう、豆ごはんも作ったんだった。
春の台所仕事は特にたのしいですな。さやをひらいて豆を取り出すとき、妙に気持ちが私は急いてしまうのですが、そのソワソワした感じと春がなんとなく合う気がします。
この瞬間がね、たまらないんだ。
料理した人だから嗅げるうれしい一瞬。湯気の香りが生々しいんですよ、息吹く感じでね。かき混ぜながらその湯気を浴びてるとき、春を感じます。
これは昨日作った味噌汁。
厚揚げとなめこ、にらのトリオがすごーくよかったのでメモ。なめこってたまに衝動的に食べたくなります。
最後に新刊『台所をひらく』、引き続きよろしくお願いいたします。
「料理はきらいじゃないけど、日々の家事としてはしんどい日も多い……」という人に読んでほしいエッセイ集。
6月にまたラジオ1本出てお話します。7月、8月にも関連イベントがあるので、またおお知らせしますね。
猫たちも元気です。
それでは、また!