スパゲッティ、というよりはトマトソースとありもの野菜で焼きそばっぽく作ったスパゲッティ。妙においしかったです。
いやはや、いきなり寒くなって冬到来。
体調崩されてる方も多いのでは? 電車に乗ると、痰がらみの咳をされてる方が多いなあ……と感じます。私もちょっと風邪気味でしたが、なんとかしのいでおります。
さて日曜の朝、ふとアマプラの画面を見れば「お前これ好きそうだぞ」欄に『お熱いのがお好き』(1959年)があるじゃないですか。
「お、いいね!」なんて思って見始めたらもう止まらない。
監督はビリー・ワイルダー、ジャック・レモン、トニー・カーティス、マリリン・モンロー主演作。20年以上前に見て後半すっかり忘れてましたが、やっぱり面白いなあ……。グイグイ引き込まれて、気持ちよく笑わされて、息を呑んで。
最初にギャングのボスの足元を印象づける演出、うまいですねえ……。ノワールな雰囲気のカーチェイスからガラッと場が変わる意外さ、展開と脚本の妙。酷寒のまちから南国的フロリダへ。スラップスティックな雰囲気にぴったりのジャック・レモン、キレ抜群でおかしいったらない。当時34歳か。あのスピーディな表情変化、コンパクトミラーでボスを見つけるときのあの眼!
久々にマリリン・モンローを見て、やはり100年にひとりの人だなと。でも当人からしたら「またこんな役」と思っていたのかもですよね。トニー・カーティスは彼女とのキスシーンで有名な感想をもらしていますが、発言を否定しているようで、真相はどっちなのやら。しかし彼、身が軽い。ホテルを抜け出したり戻ったりするシーン、あれ吹き替え無しですよね?
吹き替えといえばマリリン、この映画では歌手の役なので歌いまくるんですが、専属吹き替えの人がいたともいわれるけれど真相はどうなんだろう……?
彼女が歌っていたとしたら、本当にいい歌手だなと今回も思いました。技術とか超えて表現力が素晴らしい。『I’m through with love』『I wanna be loved by you』の2曲、最高だ。担当したアレンジャーもすごくいいですよね。
いい映画を観たなあ……と余韻にひたっていたら、なんだか調子が出てきてついもう1本。おすすめ欄にあった『洋上のロマンス』(1948年)、主演のドリス・デイのファンなので見てみましたが、まあいかにもハリウッド黄金期のミュージカルという感じで、のんきで、のどかで。
『お熱いのがお好き』なんて名作の後だったもんだから、ひねりのない構成や台詞にちょっと物足りなさを感じてしまったのですが、ドリス・デイが名曲『イッツ・マジック』を歌うシーンがあまりにも素晴らしくて感極まり、思わず涙。心打たれたー。
なんかねえ、一気に「おおお、これぞエンタテインメント……!」というムードが高まって見る者を飲み込むんですよ。歌の力、芸の力。ドリス・デイもやっぱり不世出のスターで歌手だ。しかしこれが映画デビュー作とは思えない堂々たるパフォーマンス。オーディションしたという監督のマイケル・カーティス(『カサブランカ』!)も驚いたろうな。
相手役がごひいきジャック・カーソンなのもうれしかった。ジュディ・ガーランドの『スタア誕生』で荒っぽいマネージャーを演じる彼ですね。wikiには2年ほどドリス・デイと交際してたとあるが、本当なのだろうか。
いやー映画堪能、いい日曜の午前中でした。でも仕事忙しいからそれどころじゃないんですけどね……。すみません各位。
忙しいといえば、忙しいときに『刑事コロンボ』再放送なんてしないでほしい。いや、ありがたいけれどもね。いま、まだプロット版2回目でリー・グラントが犯人役のあの回です。彼女、まだ健在で99歳のよう。長寿といえば先月の10月に『南太平洋』のミッツィ・ゲイナーの訃報を聞いてまだお元気だったのかと驚いたな。こちらは93歳で没。合掌。
高知の陶芸家、長野大輔さんの個展に行ってきました。今回も、素晴らしかった。使いやすく盛りやすく、それでいて存在感のあるうつわばかり。ほんのり桃色がかった小鉢をひとつ連れ帰りました。長野さんいわく「コップがわりに」とのことだったけど、私は菊の酢のものを盛りたくなり。
駒場東大前『うつわ party』にて明日・22日まで。
風邪などひかれませんよう、ご自愛ください!