白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

荻野恭子先生にロシア料理を習ってきました。

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荻野恭子先生の料理教室に行ってきました。

 

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世界50カ国以上を旅して各地の料理を学ばれてきた荻野先生、私はロシア料理の本をかつて拝読して、ボルシチを作ってみたことがありました。テレビや雑誌で荻野先生の料理を拝見するにつけ、一度教室にうかがってみたいなあ……と思っていたのです。

 

というようなことを話していたら、荻野先生と交流のある某誌の編集長がつないでくださって特別に料理教室を開いてくださったんですよ。Kさん、ありがとうございました! そしてあな嬉しや、リクエストをきいてくださり今回はロシア料理のレクチャーに。3品、教わってまいりました。

 

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イヴァシー・パドゥ・マリナーダムイワシのマリネ)

先生はこの料理をウラジオストクで食べられたとき、「酢豚っぽい…」と感じられたそう。シベリア地方は中国料理の影響を強く受けているのだとか。

向こうでは油はひまわり油、酢は穀物酢やブドウ酢を使うことが多いそうです。

ひまわり油と聞いて思わず『映画を思い出しますね』と言ってしまいました。すると

そう、ソフィア・ローレンの『ひまわり』ね。あれはウクライナのほうで撮影されたらしいですよ。

と答えてくださったんですよ。帰って検索すれば、在ウクライナ日本国大使館のサイトにもたしかに「ウクライナで撮影された」とありました。ちょっと面白いエピソードが載っているので、ご興味あるかたは飛んでみてください。

在ウクライナ日本国大使館:エピソード集(日本語)

仕上げにたっぷりのディル、イタリアンパセリ、細ネギを添えます。ディルは「ロシア草」といわれるほどあちらではポピュラーなものだそう。

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ペリメーニ(シベリア風水餃子)

このルーツはモンゴルのバンシという水餃子だそうです。皮からつくりました。

 

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きれいに丸にするの、むずかしいなあ。

 

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なんとか包んで……

 

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ゆでます!

 

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うつわがまた素敵なんですよ。

 

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皮づくり、ちょっと抵抗感下がりました。早めに復習しないとだ。そして中身の肉あんレシピ、すごく勉強になりましたよ。私、いろいろ入れ過ぎてたなあ。

 

 

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ハロードヌィイ ボールシィ(冷たいボルシチ

荻野恭子先生に直々ボルシチを習えるという幸福……あらためて噛みしめてます。きれいでしょう? これ、冷たいといってもキンキンに冷えてはないのです。中国料理と一緒ですね、涼麺といっても暑くも冷たくもない状態で出てくる。

ビーツの甘酢漬けとサワークリームを混ぜて作るのですが、この自家製サワークリームの作り方がとても勉強になりました。上にゆで卵やキュウリ、ハーブ類を散らすんですね。また温かいボルシチも習いに行きたいなあ……。

 

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さあ、みんなでいただきますよ。なんとも美しい食卓ですな。

 

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先生の焼いてくださったパンのおいしかったこと。

 

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先生が用意してくださった、ナスとナッツ、トマトと香菜の和えもの。塩だけとは思えないおいしさ。

ロシアの味つけは基本、塩だけですよ。スパイス文化がないの。そしてソヴィエトがあの時代まで続いたということで他国の食品企業が参入できなかった、それゆえに昔ながらの味が残ってきた、という面がありますね。

というお話がとても興味深く。先生は今度生徒さんを連れてジョージア(旧グルジア)に行かれるそうです。

 

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最後はティーを入れてくださいました。

 

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プルーンのバレーニエ(砂糖のサッと煮)といっしょに紅茶をいただきます。

 

ああ、ロシアン……(行ったことないけど)。

ペリメーニの皮の作り方を習いに旅行されたときのお話が面白くて、興味深くて、時間がどんどん経っていきました。日常生活の料理を習うのって日本国内でもむずかしいものですが、それが外国語となるといかばかりか。

 

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先生、ありがとうございました。またよかったら是非、うかがわせてください。