白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

藤村公洋さんの「ひたすらにホワイトアスパラを食べる会」 

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「ひたすらにホワイトアスパラを食べる会をやりたい」

料理家の藤村公洋さんがそんなことを呟いたのは、3年前だったかな。それがとうとう実現したのです。

 

この量!

 

 

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 ホント、実物を目の前にしてテンション上がりました…! なんかもう、収穫祭という感じ。心、まつり。ハレモード入りましたね。

 

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参加者は全員で七名、みんなピーラー持参で皮をむきむき。全員がピーラー持ってるって画、なんか不思議なおかしみがありました。「皮、むいたろか」必殺仕事人的な。

 

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マヨネーズも藤村さんの自作、なんともリッチな仕上がりでしたよ。

さあ、宴のはじまりです。

 

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今回、僕がやりたいのは『ゆで』と『焼き』だけです。

 この言葉を聞いたとき「おおー」と声を上げてしまいました。なんとシンプルな。

「ホワイトアスパラをとことん焼いて、とことんゆでてみたい」という思い。料理家さんの心を燃やす何かを感じましたね。

そのトライの先には、きっと藤村さんのアルカディアがあるんだろうな。

 

そこに連れていってもらおうじゃありませんか。

 

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これ、それぞれ角度変えて撮ってるんじゃないんですよ。皿を空けては新たにゆでたて、焼きたてを盛ってもらっています。

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そう…もう「わんこホワイトアスパラ」状態。ああ、なんか落語的に酔狂で、いいなあ。

 

ちょっと感想を。

ランド産のアスパラ、採れたてはいかほどに豊かな味わいなんだろう…。旅した時間の長さにも関わらず、とても豊潤で、おだやかなうま味に溢れていました。長崎、香川のはそれに比べてあっさりなんだけれど、私たちの毎日の食卓にスッと溶け込みそう。おひたしやゴマ和えなんかにしたくなる。いや、クルミ和えかな…。なんか自然に手が動くというか、おそうざいの勘がはたらく感じ。日本の土で育つってそういうことなんでしょうかね。

佐賀のは一本きりっとした強さがありますね。今度はフライや天ぷらにもしてみたい。

 

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うま味がおだやかなので、食べ飽きない。グリーンだったらこうはいかなかったと思います。おだやかなんだけど、ある種の強さはあるんですよねえ。

 

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ちょっと口直し。

中尾雅昭さんのうつわ、苺によく映えました。

 

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なんか変な感想なんですけど、青地にホワイトアスパラ描いて名古屋帯なんかにしたらいいだろうなってフト思うなど。早春帯でホワイトアスパラガス、ちょっと観てみたい。

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ラスト、11皿目はちょっと遊んでいただきガーリックアンチョビ、そしてチーズで。

 

ホワイトアスパラで、お腹いっぱい。

こんな日が人生でくるとはなあ。忘れがたい日になりました。

 

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ホワイトアスパラと藤村さん。調理おつかれさまでした、素敵な機会をありがとうございます。

 

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7人で持ち寄り、9本飲む。

 

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そんな人間たちを見つめるグジュでありました。

 

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