白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

西川口『滕記熟食坊』、再訪(2018年2/28、加筆)

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ずっと気になっていた、こちらのお店。

 

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西川口駅の西口から(ややこしい)徒歩7分ぐらい、その名も『滕記熟食坊』(とうきじゅくしょくぼう)。

なーーーんかうまそうな雰囲気が漂ってるんですよねえ。先日、料理研究家のS先生チームと入ってみれば、やっぱり当たり。

 

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早速再訪しました! 店内はワンフロアで、こんな感じ。

 

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メニューはドリンクをのぞいて、すべて中国語。

 

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中国・東北地方の鍋料理がメインのお店です。私はこの料理、先日が初体験でした。

S先生に食べ方やらいろいろ教えていただき、感謝。

鍋は6種類あって大体が5千円前後ですが、それぞれゆうに6人前ぐらいあります。

少なくともここ、よく食べる人最低4名ぐらいからで行ったほうがいいですよ。

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ちなみにお店のかたで、日本語を話す人はひとり。その人がいないと電話予約もままなりません。

でも「ままならない」というのはこっちの都合で、中国のかたを相手にしてるお店なのだから、それでいいのですよね。こっちに都合よく考えちゃいかんのだ。

 さて、オーダーに戻りましょう。

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テーブルにはそれぞれ、それはそれは大きな鍋がしつらえてあります。 

 

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今回は、鶏とキノコとジャガイモの鍋を頼んでみました。

もちろんメニューは読めず、日本語のわかる店員さん(といってもペラペラではない)に教えてもらってのオーダー。

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まず油、醤油ベースの合わせ調味料、ショウガとネギなどの薬味の三点セットが運ばれてきます。この時点で鍋を熱しておいて、

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すべてを鍋へ。香りが出てきたところで、

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下ごしらえ…というか味つけ済みの骨付き鶏肉類が運ばれてきます。もんのすごい量。

 

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こちらがキノコ。水煮にされてるっぽい。店員さんも「日本語でなんていうか分からない」と。見た目はなんですが、煮込んでみれば実にうまかった…! キノコ博士の茸本朗さんを連れてきたいなあ。

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それぞれすべて、鍋中へ。ヤカンに入って運ばれてくるダシも足して、しばし煮込みます。

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その瞬間を撮り忘れたので、こないだS先生と行ったときの画像を。このときのダシは豚げんこつ(=大腿骨)だそうな。 

 

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煮込まれる間アテにした、生野菜とピーナッツの味噌和え。ピリ辛でチンタオが進む! 750円ぐらいだったかな。

 

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もうね、蒸気がすごいんだ。

伝わるかなあ……たまらない異国感なんですよ。こうしてる間にどんどん店内は中国のお客さんで満ちてきて、聞こえるのは中国語ばかり。隣のテーブルの女性に「この店に日本人がいるの初めて見た(笑)」なんて話しかけられて。

 

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ちなみに彼らは鯉(こい)の鍋をオーダー、「ちょっと味見してみて」なんておすそ分けまでしてくれました。気さくだなあ。食べてみれば存外サッパリしていて食べやすい。ちなみに鯉鍋、オーダーが入ると水槽から1匹出してきてさばいてくれますよ。

 

あ、うちのほうの鍋が煮えてきました。

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春雨を途中でプラスします。

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トウモロコシのパンも登場。

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こんなふうに鍋肌にくっつけて、再度フタをして蒸しあげていきます。

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完成図。

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迫力!

 

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蒸し焼きにされたトウモロコシのパンがね、おいしいんだ。

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汁と具をからませ食べていきます。スパイスのきいた醤油系の味わい、実にうまい。

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食べきれるはずもなく、テイクアウト。タッパーに詰めてくれますよ(プラス110円だったかと思います)。ツレが喜んで弁当に持っていきました。全部を一度にじゃないですよ(笑)。

 

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ちなみに前回頼んだ鍋は、白菜漬と豚肉の鍋でこんな感じ。色合いが全然違いますね。酸っぱく漬かった白菜がきいてて、さっぱりしてます。これもこれで実にうまい!

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豚の血の固めたもの、いわゆるブーダンノワールも入ります。臭みが全然なくて食べやすいんですよ。白い塊は干し豆腐、スープの染みて最高だったな…ああ、これクセになります。また食べたい!

 

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S先生たちと行ったときに頼んだ、豚足や豚耳、牛モツの醤油煮などの盛り合わせ。豚足、抜群。先生方にも大好評。1280円。

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鴨の舌(500円)もあります。いいアテ。

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そうそう、余裕があれば水餃子もゼヒとも。メニューには載ってなくて、壁に品書きが貼ってあります。

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  • 白菜
  • 酸っぱく漬かった白菜
  • 韮(ニラ)

この3種類があって、それぞれ780円。

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辛いのが好きな人は、このラー油をもらってください。薫り高くてよかったですよー。

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中国人向けの料理店が多い西川口の中でも、賑わいぶりはトップクラス。「週末は予約したほうがいい」と店員さん、その言葉どおり、日曜の午後早くでもう満席でした。

食べて飲んで、今回はツレと二人で7千円ぐらい。

これまでに3回行きましたが、大体ひとり3千円ぐらいで楽しめますよ。

今度はまた違う鍋を食べに来よう。

 

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『騰記熟食坊』、これから人気の予感。

ここのすぐ隣にある韓国食材店『サラン』のキムチはうまいですよ。好きなかたはぜひ保冷バッグ持参で来て、試してみてください。

 

 ◇2017年12月6日、再訪

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 夜の外観。

ムードあるでしょ?

ツイッターにこちらのお店のことをアップして以来「行ってみたい!」という声が多くて、今回は編集のカトウさん、そのお友達のみなさんと4人で訪問。

 

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今回も酸菜と豚の鍋にしました。定番のおいしさ、最も日本人好みな味じゃないかな。

酸菜だけテイクアウトもできますよ。

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今回挑戦したのは昆布の和えもの。

ゴマ油と塩がきいててうまい! なじみのある味つけで食べやすい。

何度も中国へ旅行されて食べ歩いているFさんいわく、「中国では東北地方だけが昆布を食べる」とのこと。

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ニラ水餃子もオーダー。

やっぱりここの水餃子はレベル高いなあ。

 

◇ツレヅレハナコさんのコラム

『Hanako』のWEBサイトで連載中の、ツレヅレハナコさんのコラム(ややこしい。笑)に『滕記熟食坊』が登場。

 

西川口中華に行ってみたいので、案内してくれませんか」と連絡をいただきました。『騰記~』と蘭州ラーメン『ザムザムの泉』などをご案内しましたよ。

中国食材店とかもいろいろお見せしたんですが、やっぱり全部は載せられないか。

そうそう、来年1月5日の『タモリ倶楽部』でも西川口中華が紹介されるそうです。

うーん。

わざわざ来るとしても『滕記』行っちゃうとハシゴ難しいんですよねえ。なんせ腹いっぱいなるし(笑)。

西川口中華は点在してるので、下調べしてうまいこと周ってくださいね。

 

 2018年2月28日再訪

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久々にやってきました。

今回はシライさんご夫妻を西川口案内。酸菜鍋を堪能しつつ、ピータン豆腐にも初トライ。安定のおいしさでしたよー。