白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

サラーム海上さんの中東料理教室へ

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サラーム海上さんの中東料理教室に行ってきましたよ。

サラームさんといえばご本業は音楽評論家、『TV Bros.』の連載コラムでお名前を知ったのはいつだったろう。軽く15年ぐらいは前のような気がします。

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冒頭の自己紹介では「音楽家の取材で中東を訪れるうちに料理を覚えたり、音楽家の母親に地元の料理を習ったり」なんてことが語られていましたが、ともかくもサラームさんといえば現在、その料理の腕前が評判なんです。ツイッターで料理教室があると聞き、すぐに申し込んだのでした。

 

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中東料理、とひと口に言っても広いですよね。そもそも中東と聞いてどこを指すのか、説明できる日本人はどれほどいるでしょう。私も…かなりアヤフヤ。

最初にサラームさんが説明してくれました。中東料理といえば、

レバノン、モロッコ、エジプト、イラク、イエメンの料理はアラブ料理、というジャンルになり、そしてまた別にトルコ、ペルシャイスラエル料理があります

とのこと。日本でいちばんなじみがあるのはトルコ料理でしょうかね。そのほかはモロッコ…かなあ。イスラエルは建国して約70年ほど、各国の人々が集まって出来た国だから、非常にユニークなスタイルが確立されているそうですよ。

 

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いきなり完成形の写真ですが(笑)、羊飼いのサラダ、ホモス(フムス。ヒヨコ豆のペースト)、ピーマンのドルマ(詰め物)を実習しつつ習いました。

 

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ホモスに使うタヒーニを実際に味わえて嬉しかったですねえ。日本でいえば「練りごま」ですが、濃縮感と香りの立ち具合が全然違いました。戻してゆがいたヒヨコ豆にニンニクとタヒーニ、レモン汁などを加え、フードプロセッサーにかければできあがり。

フムス、ホンモス、ホンムスなど各国で呼び方もいろいろ。

これ、完成品の状態で冷凍できるんだそうです。サラームさんは下ゆでしたヒヨコ豆を冷凍して、使う分だけその都度戻しているとか。

 

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トマト、キュウリ、赤玉ネギを小さくダイスに切った羊飼いのサラダ。各国に同様のものがあり、それぞれが「我が国のサラダ」と言われているそうです。

サラダに最後かけた「プル・ビベール」というトルコの粉唐辛子、けっこう辛かった。「オリーブとゆで卵は和えずに最後に散らして」とサラームさん。モロッコスタイルだとさらにクミンパウダーを加えるそうです。

 

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ピーマンドルマ、ひき肉に米を混ぜて炊き上げます。30分煮て、もっちりと仕上がりました。ヨーグルトとディルをかけていただきましたよ。

サラームさんが旅して撮りためてきた、各国のドルマやホモスの写真をたっぷり拝見しました。ズッキーニの花のドルマなんてあるんですねえ。

 

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完成したら、テーブルに移動してみんなでいただきます。

場所は阿佐ヶ谷駅高架下にできたばかりのコトラボにて。雑誌の『オレンジページ』が運営されてるんですよ。

サラームさんが教えてくれたイスラエルワイン、好みだったなあ。リースリングの白、「ハチミツっぽいよね」というお言葉どおり、まろやかな飲みやすさで女性の参加者から次々と「おいしいね」という言葉が上がっていました。

11月にもまた開催されるそうです。楽しみだ。

 

せっかくだし阿佐ヶ谷で一杯やっていこうかと思ったけれど、たっぷりホモスでお腹もいっぱい。サラームさんが「現地で食べるとあまりに腹持ちがよすぎて、動けなくなりますよ」と何度も仰っていたのに納得。

おとなしく帰りました。

 

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あ、そうそう!

「ヤズ・サラタス」というスイカと白チーズとミントの和え物も習ったのでした。最後に黒コショウをひくんですよ。意外な相性の良さで日本でも一部で人気ですね。素敵なデザートでのしめくくり。

さあ、ヒヨコ豆をまずは買いに行こうか。