白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

昼の日本ワイン会

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最近、めずらしくバタバタしております。

さして仕事が多いわけでもなく、処理能力のなさを痛感する日々…。料理もきちんと、していなかった。これじゃいかんなあ…と思い、この日は朝からしっかりと。

 

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といっても、ツレの弁当用に作ったあまりの、のっけごはん。

(^-^; 赤ピーマンのおかか和えやら、キャベツと豚の炒めものなど。

 

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具だくさんみそ汁。

いいネギがあったので、厚く切ってサツマイモとワカメと一緒に。甘いサツマイモを活かしたくて、酸っぱめの味噌をチョイス。だしは煮干しと昆布。

さてと、きょうは友人が遊びに来てくれるのです。この日を楽しみたくて、昨日までわらわら働いておりました(笑)。

 

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ワイン好きのフリーランスが4人集まって、昼から日本ワイン会。

宮城県の新しいワイナリー『Fattoria '' Al fiore ''』の白(写真いちばん右)に出合えて嬉しかったなあ。Kさん、ありがとうございます。ナイアガラの甘やかな香りを活かしつつ、後口はきれいにドライ。

倉敷出身・Dさんが持ってきてくれた、岡山県『ドメーヌテッタ』(右から2番目)。こちらは去年誕生したワイナリーで、新見市哲多町にあるからこの名前。

私は、こないだ新潟ワインコーストで買ってきた『カーブドッチ』から2本、フェルミエ』から1本を出しました(このシャルドネが実にうまいのですよ…)。

日本もたくさんのワインをつくっていますが、日本産ブドウだけでつくられるものを「日本ワイン」と呼んでいます。地方の耕作放棄地がブドウづくりで少しずつ復活、なんて便りを聞くとうれしいですな。どうせ酔うなら農家さん応援…などと言い訳しつつ、昼飲みしたわけであります。

少しずつ、日本ワインのファンを増やしていきたい。

 

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つまみも持ち寄り。Kさんが持ってきてくれたフキノトウのオイル漬け、香りがあざやかに残っている。「軽くゆでで水気をとり、塩、オリーブオイルをまぶすだけ」とのことでしたが、加減が絶妙。

 

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あまったのを翌日、ツレのスパ弁当にさせてもらいました。フキノトウ好きのツレ、大よろこびでしたよ。Kさーん、ごちそうさまです。

 

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どういうわけかこの日はオイル漬け祭りに。N田さんが持ってきてくれたカキのオイル漬け。こちらも自家製です。身がふっくらしてて、実にうまい。そうだ、冷蔵庫にアーティチョークのオイル漬けも入ってたな。出しますか。

 

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もろもろ並べて、ワイワイと。先の2つのオイル漬け、生ハムで巻いてバゲットと食べると抜群でしたよ。

 

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 ナイアガラの香りを楽しみつつ、フキノトウのほろ苦さ×オリーブオイルを合わせる。これが、合う! 面白い味のまじり合い。

 

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新潟『カーブドッチ』の“2015 みつばち(シュナンブラン)”、すばらしかった。

この可愛いラベルデザイン、「どうぶつシリーズ」と呼ばれるもので、サイトをのぞくと「醸造家・掛川史人の趣味に走った」シリーズで、「優しく体に染み入るようなワインを目指して造りました」とあります。まさにそんな味わいで、なんとも穏やかに香り高い。この年の白では掛川さんの一番の好みに仕上がったそうです。

時間と共により甘くライチのように変化していきます。口に含むとまずは甘くトロリとした液体が舌の上に広がり、そこから喉の奥へむかって旨味が強い酸が走ります。後味には心地よい苦みが余韻を残します。うまいなぁ。これ完全に好みど真ん中のワインです。ですが間違いなく一風変わったワインですからその旨ご承知の上お買い求めください(掛川さん・HPより転載)

カーブドッチ ワインリスト より

あはは、この語り口引き込まれますね。新しい年の「みつばち」も出たらゼヒ試してみたい。

 

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同じく『カーブドッチ』の「ツヴァイゲルトレーベ クレレ」 、こちらのワイナリーは試飲場が充実してるんですが(有料)、ひと目惚れならぬひと口惚れして買ってきた一本です。ベリーっぽい甘やかな香りから、飲めば軽やかな辛口で余韻もたっぷり。

ツヴァイゲルトレーベ という品種、これが初体験でした。オーストリア原産なのですね。ボトル裏には「クレレとは、主にボルドー地方で造られる赤ワインとロゼの中間の色をしたワインの名称。穏やかな酸味とロゼよりもコクのある味わいが特徴」とあります。確かに、ゆっくりと味わいたくなる一本でした。

 

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 こちらも新潟ワインコーストでひと口惚れして買ってしまった、『フェルミエ』のシャルドネ 2015年。樽熟成のリッチな味わいで、香りがすばらしい。友人連にも好評でした。Kさんは日本のワイナリーをかなり周っている食関係のフリーライターなのですが、「個人的に日本のシャルドネで最も好みなもののひとつ」だそう。

 ああ、よく飲んだ。話した。いい息抜きになりました。

 

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「日本ワインは和食に合う」というけれど、和食というより、醤油も味噌もバターも甜面醤もゴマ油ナンプラーも雑多に混じり合う「現代日本食」に合うんだと思う。さらにいえば、西洋ハーブもパクチーも三つ葉もセリも混じり合う我々の食卓に。いずれにもケンカせず、やさしく調和する。日本酒にもこれは言えることだけど。

なーんて、まだまだ日本ワインたいして飲んでもないのに総括は早いですな。