白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

静岡への旅 ~丁子屋&La Cachette

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静岡に行ってきました。

わかりやすく静岡駅をトップ写真にしてみましたが、渋谷から高速バスで移動です(笑)。これがまあ、お盆シーズンということでどっぷり渋滞

 

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でも車内は快適だったな。イスもゆったり。

 

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結局、到着予定時間を2時間ちょいオーバー。終点の静岡駅では当然のようにさくらももこイラストが迎えてくれました。どうでもいいですが『ちびまる子ちゃん』に出てくる「パアァ~…」って擬音が昔から好きです。

 

 

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気を取り直して、静岡駅からバスに揺られて25分ほど、駿河区丸子(まりこ)へ。

 

 

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そう、丸子といえば名物とろろ汁です。

慶長元年創業…というから1596年でしょうか、広重の『東海道五十三次』にも登場する『丁子屋』さんが目的地。このたたずまい、風情あるでしょう? バックが山というのもうれしいなあ。ここ、中休みがないのもありがたい。

 

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中はこんな感じで、とても広々。このほかにも部屋がいっぱい。

 

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昼時を避けたことで、静かに空いていて、かえって落ち着きました。外国からのお客さんもちらほら。

 

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まずはやっぱり生ビール! サッポロの静岡限定ビール『静岡麦酒』(670円)、うまかったっす。。。暑い中を移動した後だけに、喜びもひとしお。

 

 

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アテは『揚げとろ』(900円)、さっくり軽くて香ばしい。静岡名物のタタミイワシが貼られているの、おいしかったな。家でもマネしてみたい。

 

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さあ、とろろ汁が来ましたよ。自然薯使用、すりおろしたものを味噌をだしでといたもの(つまりは具無しの味噌汁)で溶くのですが、丁子屋さんでは自家製味噌を使用し、削り節と卵を加えて仕上げるとのこと。

 

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これは麦めしでなくっちゃあねえ。

あと味噌汁にもタタミイワシが入ってて、これがなかなかオツでした。三つ葉とタタミイワシだけの味噌汁、いつか真似してみたい。

 

 

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まんぷくの腹をさすりつつ、しばし惚ける。

 

 

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ベタな観光写真もたのしいものです。

 

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ああ、うまかった。さあ、浜松に移動ですよ。

 

 

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奥にちょろっと見えるのがアクトシティ浜松

浜松国際ピアノコンクールの舞台にもなるところです。先頃亡くなられた中村紘子さんをどうしても思い出してしまう。彼女は長らく審査委員長としてこのコンクールの発展に寄与されました。中村さんはコンクール開催中は忙し過ぎて、おいしい遠州の食べ物を満喫する時間などほとんどなかったと聞きます。

 

 

 

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駅で見かけた心に残る広告。

 

 

さて、いろいろ省略して夜ごはんの記録を。

あてどなくブラブラして気になって入ったお店が当たりました。こういうのが私にとっていちばんの旅の醍醐味です。

 

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『La Cachette』(ラ・キャシェット)

フランス語で隠れ家とか、宝箱といった意味があるそう。店頭にはメニューがなかったので入るまでちょっと逡巡しましたが、思い切ってよかった。

ブログを付けるにあたってサイトを拝見したら、「ワイン食堂」とありました。うん、確かにそんな感じの気取りのないお店です。

 

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浜名湖タコとアボカドのサラダ(800円)。

 

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特製ミートボール(900円)

 

ワインはこんなところをグラスでいただきました。いずれも満足!

 

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マダムがとても気さくであたたかい方で、いいお店でした。

料理とワインが美味しくても、「楽しくないお店」ってのは少なくないもの。こちらは初めて伺いましたが、なんだか「あら、お帰りなさい」と迎えられたかのような気持ちになったことを嬉しく思い出します。

 

 

付記

この頃、世の中は「ポケモンGO」が大はやりでした。信号で隣り合った中近東系とおぼしき男性も熱中していたのが忘れられません。私も貸してもらってちょっとやってみましたが……楽しいものですね(笑)。浜松のバスのターミナルでおばちゃんに「それがポケモンGOってやつう?」と話しかけられたのもいい思い出です。