父親がなぜか大量に送ってきた、ハウス『ふらんす厨房』ブイヤベースの素。
多分、夏のお中元でもらったものの、使わなかったんだろうなあ…。
(;´・ω・)
いえいえ、ありがたいんですよ。さてどう使おうかな。。。
連載中のコラム「減塩日記」でパスタを調査中なので、パスタに活用してみよう。
ニンニクを軽く熱して、玉ねぎ、ツナを軽く炒めて牛乳、ブイヤベースの素を注ぎ、軽くフツフツ。余ってた小松菜も細かく刻んで投入。黒コショウで仕上げました。
おお、おいしいじゃないの…。
次の日も同様に作ってみたんですが、イタパセたっぷりで作ってみたら、苦味がよく合いました。
と、夕食を楽しんでいたところに……
【原節子さん死去】「東京物語」など 小津安二郎監督作品で知られ、日本映画黄金期を代表する女優として活躍した原節子さんが9月5日、肺炎のため神奈川県内の病院で死去した。95歳。横浜市出身 @kyodo_official
— 共同通信公式 (@kyodo_official) 2015, 11月 25
ああ、とうとう……。
私はまだ小学生のときに彼女の写真と出合って、ふしぎと惹きつけられたんです。それもかなり強く。そのときの本はまだ手元にあります。
彼女の訃報に接した当日、こんなつぶやきを残しました。
29年前の本『原節子のすべて』この表紙にどうにも惹かれて親に買ってもらったのだった。変な小学生だと思うがそういう子だったのだ。そして小津や成瀬を見始めた。原節子本ではこれと千葉伸夫さんの『原節子』がベスト。ああ…ショックだ。合掌。 pic.twitter.com/I4OMGIaNB1
— 白央篤司 (@hakuo416) 2015, 11月 25
それから間もなくして、NHKの名作劇場で小津安二郎の『秋日和』が放映されたんですね。なんともいいタイミングで。そこからすっかり昭和の映画にハマっていきました。そして名画座での小津や成瀬の上映に通うようになって。
以来、原節子という文字を追って、いろんな本を探しては読み、映画を観ました。ネット検索や通販、動画サイトの発達していない時代に、そして10代という時期にそれらのことに没頭できて、本当によかったと思っています。
彼女の「真価」というものはたしかに、戦中から敗戦を実際に体験していないとわからないものでしょう。彼女のモダンな容貌と洋服の似合う大柄な身体、そしてなによりディグニティあふれるその個性の輝きは、焼け野原のなかで消沈した日本人の心のともしびであった…と、数多くの人がそのまばゆさを記し残しています。その熱い称賛の数々が、私には印象的に思えてなりませんでした。かくも人のこころを打った女優とは、どんなひとだったのだろう…。
そこを知りたくて、今まで追ってきたのかもしれない。
原節子とは、日本女優の中で「憧憬」というこころを最も集めた女優だと思っています。彼女を熱く語るひとの多さがその伝説性と神格を高めた、その代表者が小津安二郎ではないでしょうか。原さんが出演した小津映画からは独特の慕情が私にはひそかに感じられてならないのです。
2015年の秋、原節子死す。
合掌。
※原さんの関連図書では、以下の2つが素晴らしい労作です。
ご興味のあるかたは読んでみてください。
千葉伸夫さんによる決定的評伝。
◇『原節子のすべて』出版共同社
残念ながら絶版ですが、図書館などにあると思います。
出演全作品の写真と解説、佐藤忠男さんによる原節子論が掲載。そして荻昌弘さん、西村京太郎さん、池部良さん、半藤一利さんによるオマージュエッセイが楽しい読み物。上の写真は私が30年ぐらい持っているものなので、ボロボロですみません…。