ヴィットリオ・デ・シーカ監督の名作映画、『ひまわり』。
公開からちょうど50年、レストア版が再公開されています。「その #PR を兼ねて映画に出てくるオムレツを、作ってくれないか」という素敵な依頼をいただいたんですよ。
大好きな映画なので、うれしかった。
結婚したばかりの幸せなふたりが食べる、あの大きな、大きなオムレツ。しかしすぐに夫は召集され、戦争へ。ソフィア・ローレンとマストロヤンニ、そしてリュドミラ・サヴェリエーワの三人が醸す情感が本当に素晴らしくてね。
もともと『ひまわり』は母が好きで、「良かったのよう…」と私が小さい頃、よく言ってたんですよ。それで興味を持って、ビデオ借りて観て感激したのはいくつのときだったかな。そんなあれこれを以前、ブログにつけていたのが、宣伝会社のかたの目に留まって、お声がけくださいました。
映画を観直してみたら、オイルと塩だけの実にシンプルなオムレツのよう。
「うちのマンマはバターで焼くんだ」
「いいえ、オムレツは油で焼くものよ」
ローレンにおとなしく従うマストロヤンニ。彼ら、赤ワインでオムレツ食べるんですね。新婚のふたりに卵を贈る習慣というのも、時代だなあと思ったり。
ひまわりと、オムレツ。黄色くて丸くて、豊かさやあたたかみの象徴のようなふたつのもの。けれどオムレツの次に描かれるのは召集、戦争、極寒のソヴィエト。別離とあまりにも悲しくつらい再会……慟哭。そして。
嗚咽というのか、叫びに近いソフィア・ローレンの表情、忘れられませんね。そしてヘンリー・マンシーニのあの音楽。
これからもずっと、再上映され続ける映画でしょうね。
恋愛映画の金字塔が50周年で蘇る/映画『ひまわり 50周年HDレストア版』予告編
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