白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

明けましておめでとうございます

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明けましておめでとうございます。

本年もどうぞ、よろしくお願いします。

 

調子にのって大晦日は飲みすぎ、元日は大寝坊……起きるやいなや雑煮の支度をしました(汗)。半分寝ているような状態ながら、わりに手が覚えてるもんですね。

新潟県下越地方出身の母から受け継いだもので、大根やニンジン、ゴボウなどたっぷりの根菜と鶏肉、練り物(ナルトやカマボコなど)を煮て酒、みりん少々、醤油で味つけして、クルミをすって先の煮汁でのばしたものを最後にかけます。餅は焼いた角餅。

 

コクがあってね、うまいんですよ……。年明けの味。小さい頃、母の実家に行くとクルミをほじって、すり鉢でするのは子供の仕事でした。

 

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 元日の食卓。

鯛を刺身にして、仕込んでおいた紅白なますを出して、だし巻き作って。

イカと里芋の煮たのやコハダは買ってきました。うーん、手軽で気軽で、いい正月だ。

 

 

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初酒は福島・石川郡の『一歩己』を。 

手頃でうまくて、ありがたい。

 

 

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続いて二日目のお雑煮。

いわゆる関東風のおすまし、いつもより贅沢に、たっぷりとだし昆布とカツオ節使って、鶏と練り物(ナルトかカマボコ)、青菜に焼いた角餅。 青菜は今回ターサイを使ってみました。うーん、クセがなくて使いやすい。いいですね。そして柚子皮は欠かせません。

 

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 大晦日、近所の花屋さんで千両を買ったら「ちょっと実付きがさびしいから」とひと枝

 おまけしてくれたんですよ。

 

嬉しかったなあ……。

いい福を年の瀬にいただけた。また買いに行きますね、Hさん。

 

 

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正月二日のおつまみは湯豆腐と決めてました。

録画してたM1見つつ。

 

 

のどかな時間。

 

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雑煮同様、ぜいたくにだし昆布を使って(湯豆腐はここをケチってしまうとおいしくないのだ)、しばし豆腐だけを楽しんだあとにネギとエノキを入れます。

 

白い湯気、白い鍋。

 

たっぷりと長ネギを刻んで、しょうがおろして、おかかと薬味にして。だし汁で濃口醤油をのばしてつけ汁にします。 今回は木綿豆腐、ひとり一丁じゃ足りなかったなあ。

 

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 先日の下田出張で見つけた蕎麦味噌、下関出張の折にいただいたフグ味噌(真フグの身が練り込んであります)、そしてスジコを出して、正月のつまみ三兄弟、うるわしき佳肴トリオ。休み中に活躍してくれました!

 

新年会

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 三日は初客、仕事でずっとお世話になっているMさんご夫婦をお招きしました。

 

あれこれ作ったんですが、そういや「三日とろろ」だなあ……と思いましてね。とろろじゃ食べにくいから、乱切りにしてトンブリとたたき梅と一緒に甘酢和えにしました。

これと紅白なますが大人気、やっぱり年末年始と飲み会も続き、酢のものが恋しい口になってるんでしょうな。

 

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 初めてのお客さんのときによく作る、カツオのたたきのヤム。タイ風の和えもの。私の定番料理です。

 

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 ホヤ好きのKさんも来てくれたので、とっておきの燻製をあけました。全員に先のクルミだれ雑煮も食べてもらえて、よかったな。写真はないけど、青森のいちご煮の茶わん蒸しも作りましたよ。郷土の味で飲み会。

 

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 もうちょっと何か食べたいねと、豆苗と紫玉ネギとシラスをゴマ酢和えに。妙に評判がよかった一品、豆苗は生でそのまま和えます。強めに揉む感じで。

 

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手土産でいただいた新潟・佐渡『へんじんもっこ』の「たまとろサラミ」、おいしかったなあ。MさんSさん、ありがとうございます。

 

貴重な経験。

 

 

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猫たちは寝正月。

 

さあ、きょうから仕事はじめだ。

 

 

最後にもう一度。

 

今年もどうぞ よろしく お願いいたします。

 

 

2020年正月  白央篤司