白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

宮城県旅行記2日目、石巻の巻

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宮城旅行の第2日目。朝起きて一路、石巻(いしのまき)へ向かいました。ちょうど早く着く電車に乗れて、1時間ほどで到着。

 海沿いを走るので、なんとも眺めがいいんですよ。途中にはカキの養殖棚もありましたね。ここ石巻も、海がすぐそば。

 

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駅の売店、日本酒の充実ぶりをごらんください! 全国的にも人気の『日高見』や『墨廼江』などの蔵が石巻にはあるんです。手書きポップを読むのもたのしい。

 

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駅舎のオブジェは『仮面ライダー』『サイボーグ009』でおなじみの漫画家、石ノ森章太郎さんのデザイン。

石ノ森さんはおとなり登米市の出身ですが、少年時代に石巻にはよーく通っていたのだそう。お目当ては映画館、自転車で3時間もかけてというから、すごいなあ。(往復6時間!)。記念館である石ノ森漫画館も石巻にはあります。

町中には石ノ森キャラクターがたくさんありましたよ、あとでいくつか登場します。

 

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 午前中から大にぎわいだった『白謙(しらけん)蒲鉾店』、私もここのファンなんです(特に「野菜揚げ」の)。宮城はおいしいカマボコ店が多いのですが、その代表格のひとつですね。昔はなかなか買えなかったけれど、販売店も増えました。仙台駅でも買えるはず。仙台駅を利用されることがあればぜひ、チェックしてみてください。

 

しばし、町のスナップを。

 

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 気になったシャッターアート。何屋さんだろう?

 

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街角には「あの日」を忘れないためのモニュメントがいくつもありました。

 石ノ森さんのキャラクター像も流されずに残ったものが多いのだそう。

 

 

さて、石巻で行ってみたかったお店に向かいます。

 

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観慶丸本店(かんけいまるほんてん)。

今回石巻に行くとツイートしたら、多くのひとから訪問をすすめられました。どんなお店かというと……

江戸時代から続く石巻の陶器店です。
陶磁器、ガラス、漆器などのほか、アフリカやアジアの手工芸品など、生活雑貨も扱っています。 2011年以降、SOU・SOU、SIWA、野田琺瑯、木村硝子店等の商品の取り扱いを開始し、品質とデザイン性に優れたアイテムの拡充に努めています。

※HPのお店紹介から抜粋

 

「店内の写真を撮ってもいいですか?」とスタッフのかたに尋ねたら、なんともいい笑顔で「もちろん!」とお返事が。ありがとうございます。

 

お店の中をしばし、ご覧ください。

 

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これ、たしか大漁旗でつくった鍋つかみだったかな。

 

 

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近くの海から、ここまで足を延ばしたんでしょうかね。いや足じゃなくてヒレか。

 

 

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ストーブのあるショップ。

いいなあ。

 

ほしいものにいろいろ出会えて、テンションも上がりあれやこれや購入。食器やグラスも買い求めました、このブログで近々登場するかもです。

 

kankeimaru.com

 

 お店のかた、おしゃれな人だったな。向かいにはギャラリーもあって、イベントや展示会などが行われるとのこと。この日は開いてなかったのですが、またいつか訪ねてみたい。

 

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先のショップからすぐの、『いしのまき元気いちば』へ。

 

genki-ishinomaki.com

 

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おいしそうなものものに満ちています。

 

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私「写真を撮っていいですか?」

売り場のおばちゃん「あら、私も一緒に撮ってえ~」

「ぜひぜひ!」

「あらっ、嘘よォ~!」

おばちゃん、笑って逃げちゃった。

 

あの笑顔、撮りたかったな。

 

 

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手づくりのお総菜や赤飯がまたうまそうでねえ。あのおから煮、やっぱり買ってくるべきだった。後悔先に立たず。

 

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おおー、ササニシキ! 私の世代で宮城の米といったらやっぱり、ササニシキです。いまは「ひとめぼれ」が代表格ですけどね。あ、ニューフェイスの『だて正夢』もおいしいですよ。手に入ったらぜひお試しください。

 

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石巻の銘菓『かきあめ』を買ってきました。

 

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工場が被災されてずっと途絶えていたのが、7年9か月ぶりに発売になった、とニュースで聞いていたのです。

そのいきさつは「石巻かほくメディア」の記事にくわしくあります。

ishinomaki.kahoku.co.jp

なんとか残したいと考えた石川光晴さんが商標使用許可を得て、かつての味を知る人々に何度も試食をしてもらい製法を確立、生産復活にこぎつけた…という長い道のり。

県産カキのエキスと、地元の塩を使った「かきあめ」はやさしい甘さの、なつかしい味わいでした。

レジのお姉さんに訊けば「人気ありますよ、やっぱり」と笑顔に。

大事にいただきます。

 

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ちなみにトイレも近代的で実にきれいでした。また来ます!

 

しばし周辺散歩。

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旧北上川沿いにある、石ノ森漫画館。おもしろいデザインですねえ。

川沿いですからもちろん震災の被害を受けましたが、発生後から1年8か月後に再スタートできたとHPにあります。

 

www.mangattan.jp

 

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この建物は、石巻市復興まちづくり情報交流館。被災からの歩み、そして石巻という土地の歴史がコンパクトに、わかりやすく展示されていました。

いまさっき通ってきた周辺の道々の8年前の姿がしのばれ、皆さんの並々ならぬ苦労をあらためて思った次第です。

 

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さて、せっかく石巻に来たんです。おいしいもの、いただきましょう。

 

 

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 先の『観慶丸本店』のかた、そして知人からも強くおすすめされた『いまむら』さんに行ってみましたが……残念、臨時でランチがお休み!

次回の楽しみにします。ウロウロする楽しみが増えたと思いましょう。

 

 

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 石巻にはウルトラマンも。

 

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いい路地。

 

 

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ここはたしか美容室だったかな。

 

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さて、今度こそ腹ごしらえ。石巻に住むフォロワーさんにおすすめいただき、『友福丸』というお店を訪ねましたよ。

 お昼は定食メインでしたが、アラカルトもOK。刺し身の盛り合わせと生ビールをお願いしました。

www.tomofukumaru.co.jp

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豪華ですねえ!

クジラや北寄貝の刺身もあって盛りだくさん、どれも力のあるいいお刺身でした。

 

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生ビールからの日本酒、『酒のみ乃酒』は一合400円だったかな? 手頃で飲みやすくて、まさに名前どおりのお酒。

 

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ホタテのバター焼き、そして写真はないけど生ガキ、焼きガキもオーダー。

 

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石巻の海の幸、お酒をゆっくり楽しみましたよ。ボタンエビの脳みそ、うまかったなあ……香りと濃さが違うんです。

 

HPよると『友福丸』さんは昭和27年に旅館として創業し、昭和59年に料理店に転向。東日本大震災津波の直撃を受け、店は流失。キッチンカーやトレーラーハウスでの営業形態を経て、去年4月に現在の店舗オープンと相成られたそう。

 

実にきれいな、しっかりとした店構えでした。日がたっぷりと入って、天井も高くて。

また来ますね、ごちそうさまでした。

 

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 『友福丸』から歩いて3分ぐらいだったかな、『粟野蒲鉾店』にやってきました。ここ、『友福丸』の店員さんが「うちの親はここ派なんですよ」とおすすめしてくださったんです。

 

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帰りの新幹線でちょっとつまんでみれば……おお、大正解!

柔らかくてふんわりとしたすり身で、味わいは濃くて。いやー、ファンになっちゃいましたね。いろんな種類あれこれ買いこんできましたよ、ゆっくり楽しみます。

 

 

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さて、そろそろ帰らなくては。石巻駅に戻ってきました。

 

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そうそう、さっきちょっと書いた宮城初のあたらしいお米『だて正夢』を使った弁当がありましたよ。そうそう、もっちり感がいいんだな。甘みも豊かで。 

などと言いつつ、仙台駅に戻り…… 

 

 

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 「やっぱりお寿司も食べたいよね」と、駅内にある『北辰鮨』にすべり込み。新幹線発車まであと20分ちょい。

 

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どんこの肝のせ、これが絶品でした。来てよかった、やっぱり。

 

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マグロのすじの炙り。見た目はナンですが実にうまい。

 

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イワシなめろう。日本酒頼みたくなっちゃうな。。。。

あとは写真を撮る余裕もなく、いくつか握っていただいて。

 

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またゆっくり来ます!

シャリを少なめで頼めるのがうれしい。『北辰』は本来お魚屋さんで、飲食形態はここだけのよう。

 

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三越の地下で『北辰』のお弁当売ってるんですが、前からファンなんですよ、ここの「はらこめし」がうまいんだ。今回も帰宅して食べる用にしっかり買ってきました。

 

ああ、新幹線が出てしまう。急がないと!

 

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 また近々来るよ、仙台。今回もありがとう。

 

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 ああ、そうそう。最後に仙台駅でこの『仙台の横丁』を買ってきました。昨日飲み歩いた壱弐参横丁、文化横丁の気になるお店が紹介されていて、 横丁の成り立ちと歴史についても詳しく書かれています。読んでるとまたすぐに行きたくなっちゃう、良ムックでした。もし仙台飲み歩かれるなら、ぜひお手にとってみてください。

 

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今回、仙台から持ち帰ったあれこれ(ごく一部)。

 

 

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 はい、ただいま。