じっくり昼酒が楽しめてあれこれつまめるお店……というのは存外少ないもの。東京だったら赤羽、大阪だったら京橋のように夜勤明けの人たち向けのエリアはまた別として、腰を落ち着けて昼から飲みたい、というときに向いてる飲食店ってなかなかないんですよ。
昼から酒好き歓迎、ランチメニュー以外にもアラカルト対応します、なんてお店はけっこう貴重。この手の欲求にわりと応えてくれるのは一部のお蕎麦屋さん、そして寿司店になるでしょうか。もちろん昼酒ニーズってそんなに多くないですからね。やむを得ないのだけれど。
鎌倉『コマチーナ』や祖師ヶ谷大蔵『アオジソシガヤ』などはありがたいお店です。
ともかくも、きょう訪ねたのは北千住のオステリア『ルーチェ』。ベーコンづくりの達人・よしまるさんがインスタにたびたび上げられていて、とても気になっていました。昼からアラカルトにワインを楽しめるお店とのこと。
このところバタバタだったのですが、仕事も一段落。この日はツレも飲み会で遅いとのことで絶好の昼酒タイミング…と思い、フリーランス仲間の酒好きと一緒にやってきました。
さあ、メニューと対峙。
まずはじっくり眺めつつ、スプマンテを注文。あれもこれも食べたいがそうはいかない。さてどれにするか……と迷う時間がうれしいんだ。
唐突ですが、私です。
友人に撮ってもらいました。いや…SNSアイコンの写真がかれこれ数年も前のものになっていたので、交換すべく。ツイッターの写真にしています。Rさん、撮ってくれてありがとうね。
さて、美しいひと皿が運ばれてきましたよ。
友人とふたりそろって「ワーッ!」と歓声。
野菜の前菜盛り合わせ、『ルーチェ』の名物のようです。カボチャをスパイスきかせてマッシュしたもの、菜の花の蒸し焼き、しゃくし菜のマリネが特に忘れがたく。味わいも勿論なんだけど、それぞれの食感の違いが面白くてね。見て噛んでたのしむ小曲集、といった趣のひと皿。
季節ごとに無限の組み合わせが生まれるんだろうな。
次はロゼをボトルで頼みました。選ぶさい、あれこれテイスティングさせてくださるんですよ。ワインがお値打ち…というかほぼ市価ぐらいじゃないのかな。1本ごとにグラス代500円だったかが人数分かかるシステム。※だったと思います
大山鶏のレバーコンフィ。
食べている私を見て、一緒に来てたRさんが思わず「なんとも、嬉しそうですねえ…(笑)」と漏らしました。目尻が下がっていたんでしょうね、おいしかったんだもの。上にかかっているのはセルフィーユのペースト。
いい意味で味つけが全体的にさっぱりとしていて、食べ飽きない。いただいているうち、なぜか農家だった祖母の家の食卓を思い出しました。野菜や豆を使ったおかずがいつも何種類も並べられてましてね。使っている調味料やらは全然違うのに、素材のダイレクトな感じが妙になつかしい。
パスタは2種類を盛ってもらいました。ブーダンノワールとマスカルポーネのロングパスタ、そして鱈のサフラン風味。今度はパスタだけをまず食べに来たい。あとから野菜でゆっくりつまむ、というのもよさそう。
飲み足りなくて、白ワインをグラスで。これ、好みだったなあ。
シェフ、ごちそうさまでした!
またうかがいますね。
帰り道に出会ったノラ。
妙に気品のある子でした。