白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

「軽く飲まない?」とはどういうことか。

「軽く飲まない?」
この場合の「軽く」とは一体どのようなことなのか。

きっとあまり飲まない人にとっては「1~2杯内」なんであろう。時間も「小1時間」程度に違いない。しかし酒好きで酒呑みである私の感覚でいえば、どんなに飲もうが一軒で終了となればそれは「軽飲み」だし「サク飲み」である。時間でいえば長さというより、ざっくり21時前ぐらいに解散なら「軽く飲んだ」「さっくり切り上げた」という気になる。しかし、自分の物差しを人様に応用してはいけないのだ。

だからこそあまり知らない方から「軽く飲みませんか」なんて誘われたとき私は迷う。心の中で「あなたの軽いってどんくらいなんだよおおおおおおお」と叫んでいる。

「いやそこは一般常識で」なんて言わないでほしい。仕事じゃない場で思うように飲めないというのは、幼稚なようだが私にとってもんのすごい苦しみなのだ。

「私は軽く飲むというのができません。ピッチがすごい早いんです。プレストなんです。グビグビグイグイいってもいいんでしたらおつきあいできますが、あなた様は『軽く飲まない?』ってハナから聞いてるんですもんね。こいつぁ失礼いたしました私あまりにも子供じみてますねえアハハハハ」なんて内心思いつつ、結局飲みに行って別れたあとにどっか入ってグイーッとジョッキ空けたりしているわけです。


ちなみに「酒好き」「酒呑み」の定義も、飲む人・飲まない人でかなり違うもの。2杯目に日本酒や焼酎ロック、お湯割りなんか飲むとそれだけでもう「おお、イケるくちですなあ」なんて言われることも少なくない。ハハハと静かに私は微笑みつつ心の中で「私の周囲にいるウワバミみたいな人たちをあなたにも・見せて・あげたい」とチェルシー少女のような口調でつぶやいている。

しかし思うところあって私は(というか体調)いま休酒中。別に医者からどうこうじゃないので禁酒ではない。断酒というのでもなく、ちょっと体を休めたくて酒抜きしたいだけなのだ。あと一週間ぐらいのつもりだけどね。

ともかくも今年は「相手に合わせて飲む」をがんばってみよう…かな。

 

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フキとベーコンの炒めもの。

雑誌『栄養と料理』で知った組み合わせですが、これが実にいい。ちょっとアレンジして、ベーコンを油をひかずにまず両面焼きつけて、オリーブオイル少々足してフキ、酒を加え、軽く炒めます。酒が飛んできたら薄口醤油ちょい入れて香りづけ。

おかずにも、つまみにも。日本ワインの白なんか最高です。

 

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夜はハヤシライス。ちょっと研究したいと思っております。

 

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一心不乱にヒモと遊ぶグジュ。これはきっと満悦の表情。