白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

久松農園さんのイベントに行ってきました。

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朝ごはん、モロヘイヤとトマトのクミンスープ。

有賀薫さんのレシピが簡単でおいしく、リピートしてます。さあ、きょうは茨城県の土浦へ向かいますよ。久松農園さんのイベントなのです。最近イベント続きだ。ちなみに茨城県は「いばら」と発音するんですよね。ここ、間違えちゃいけないところ。

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上野から常磐線に乗って1時間ちょい、土浦駅に着きました。

 

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駅の階段にこんな案内が。霞ヶ浦のレンコンは生産量日本一、ハスが咲くころはきれいなんですよねえ。

 

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駅の向かいは市役所で、こんな応援幕が。力士の高安さん、土浦出身なんですね。あ、バスが来た。久松農園へ向かいますよ。

 

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出迎えてくれたのは、オクラとトウモロコシ、そして熱い太陽! 今回のイベント、タイトルが「畑でバーベキューして常陸野ネストビール生樽を飲もう!」というもの。聞いただけでもう、

たまりませんね。

 

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畑の手前には早くも、常陸野ネストビールのキッチンカーがスタンバイ。いや、サーバーカー、というべきかな?

ちなみに常陸野ネストは、茨城県那珂市鴻巣にある木内酒造さんがつくるクラフトビール。このフクロウマーク、見たことある人も多いでしょうね。置いてある酒販店、ホント増えました。私はここの「だいだいエール」のファン。

 

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そしてたくさんのごちそうもスタンバイ。いい匂い、いい音!

 

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調理を担当されたのは、CONVEYというフードカンパニーの代表、横田渉さん。夏の屋外、炭火の前の仕込みと調理は大変なんてもんじゃないですよね…。おつかれさまです、きょうはよろしくお願いします!

 

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さあ、ともかくも乾杯です。

右のかたは『リカーショップサトウ』の三代目ご店主、佐藤栄介さんで、今回はスタッフとしてご参加。はじめてお目にかかりました。

茨城の酒を積極的に発信されているお店だそう。今回は寄れなかったのですが、次回必ず!

 

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農園の代表・久松達央さんのご挨拶のあと、みんなで乾杯! こちらは久松さんのところのトマトとパクチーを使ったオリジナルビールだそうです。かなりスッキリ、さっぱり。いやはや、ゴクゴク飲んでしまいました。

 

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スターターにガスパチョを一杯。ワインクーラーにいっぱいのガスパチョ、迫力! 強い日射しを浴びて汗かいて、おいしいガスパチョ。ああ、生き返るー!

 

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白サングリア、何が入ってると思います? リンゴと枝のままのシソです。久松さんの畑からきょう抜いてきたものだそう。フリーダムなサングリア作り、いいなあ。

 

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今回のメニュー。これらを好きにプレートに取り放題で…

 

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こんな感じになりました。個人的にはサルサと子羊のうまさが忘れられません。

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なので、子羊アンコール。久松さんの畑から採りたてのエゴマの葉と野菜で巻いていただきますよ。

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エゴマ葉とマリネされた野菜と羊肉、得も言われぬおいしさ!

 

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あ、そうそう。やっぱりサラダは圧巻でした。なんか思い出して今、「また食べたい」とかだけじゃなくて、パンにはさみたい、酢飯と海苔で巻いてみたいとか、いろんなこと思います。濃いんだよねえ。紫シソの葉がそのまま入ってたの、新鮮だったな。

 

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そしてビールが空けばサーバーカーに行って補充。うーん…会費払ってるとはいえ、さすがにバチあたりな気がしてきたぞ(笑)。極楽でした。いやいや、早々に酔っぱらってもいられません。というのも…

 

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久松さんご自身による農園案内があるのです。これが楽しみでした。

 

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何の葉だと思いますか?

 

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オクラです。これは紫色になるオクラ。畑には一般的なオクラ、紫色になるもの、白っぽいの、いろいろな種類のオクラが植わっていました。「大きくはしたいけど筋っぽくなるのは避けたい、ならばどうするか?」そんな生育上の工夫の話をたくさんしてくださいます。

 

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そして「さあ、自由に採っていいですよ」なんてうれしい言葉が。収穫体験というのは本当に貴重です。多くの人に「収穫して、その場で食べる」ということを経験してみてほしい。ものにもよりますが、そうすることで「いつも買ってるスーパーまで野菜がどのくらい時間をかけてやってくるか」が実感できると思います。

 

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これはオクラのつぼみ。オクラの花はとてもおいしい。きちんとオクラの味がします。

 

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オクラをもがんとする子ども、まるで大根を引くかのごとく。小林一茶ならいい句にするだろうな。今回のイベントはお子さんもたくさん参加されていました。土と農業に子どもが触れてくれるのは嬉しくてなりません。体験しなくとも、「この時期にこういう野菜が露地で生ってるんだ」というのを目にするだけでも違うと思うんです。子ども、けっこうしっかり見てますからね。

  

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トウモロコシ畑に移動、実際に1本引っこ抜いて、あれこれ教えてくださる久松さん。昨今の品種事情など、短い時間に本当にたくさんのことを伝えてこられる。そしてトークセンスに敬服しました。久松さんは、ショーマンですね。

 

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うちの母方の祖母の家にもトウモロコシ畑がありました。夏休みに行くと、たくさんゆでてくれたなあ。子どものころの夏の思い出は、ゆがいたトウキビ、ユウガオの入った味噌汁、蚊取り線香、ハエとり紙、汲み取り便所…いろんな匂いと共に思い出されます。

 

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ヤングコーンをおみやげにいただきました。帰ったらホイル焼きにしよう。

 

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落花生の畑。

 

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落花生の花。これが受粉すると地面に伸びて地下で結実するのだそうです。だから落花生。

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最後に枝豆の畑へ。今年は雨が少なく、結実がよくないとのこと。しかし今日もぎたてを焼いたのは香ばしいことこの上なく、ボリボリ食べてしまいました。

久松さん、いろいろ教えていただき、ありがとうございました。

 

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さあ、戻ってまたひと飲み。

さっきまでの熱波はどこへやら、「じきに涼しくなりますよ」と久松さんの言葉どおり、すごしやすくなりました。ビールがさらに、うまい。常陸野ネストのペールエールにアンバーエール、堪能しました。夕焼けビール。

 

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子どもたちがぬかるんだ畑で遊ぶ遊ぶ。

夜はさぞかしグッスリ寝るんだろうな。

 

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日は暮れはじめ、久松農園のみなさんによる楽器演奏がスタート。ああ、時間を気にせず居たかった。でも、そうもいかない。

 

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うしろ髪を痛いほど引かれつつ、辞去しました。

久松さん、スタッフのみなさん、ごちそうさまでした。

 

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帰りのバス停に急げば、なんとこの日はお祭り。

 

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御祭礼の提灯に灯がともり、雰囲気がありました。この周辺、サルスベリやキキョウ、オミナエシが暮色に映えて、うつくしかったな。しばし郷愁。

 

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この通りね、祭りばやしがいまエンドレスに流れてるんですよ。

 

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帰宅。久松さんのところでいただいてきた野菜です。

さあ、飲みなおしますよ。

夏は短いのだ。