白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

新潟へ ~後編 新潟ワインコースト、カーブドッチベーカリー、こまどり

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さて、新潟紀行も後編です。ナベのお宅にごやっかいになりました。

飾られていた民芸品の人形、とてもかわいい。

 

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ガスヒーターの暖かさ。北国、雪国ではガスや石油のちからが欠かせないものです。うちもこうだったな。ばあちゃんのうちも。しばらく味わっていないタイプの暖かさに、しばしひとり、しんみりしました。

 

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朝ごはんを作っていただきました。

ナベのお母さん、ありがとうございます。

 

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自家製のシソの実漬け、とってもおいしかった。

 

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これを白メシと目玉焼きの上にぱらりとしていただくと、実にいい。昨日かなり食べたというのに、箸がすすみました。うまいよォー。

 

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巻地方の郷土料理のひとつ、かきあえなます。「かき」は菊の花のことで、「かきのもと」という品種を使うことから来ているようです。黄色い細いの、見えますか? 家ごとにいろいろな野菜を入れ、クルミ、ゴマ、酢で和える料理。渡辺のお宅は甘めで食べやすく、レンコンや椎茸やキュウリ、細切りにしたコンニャクが入っていました。この味、今すでに恋しいです。

 

朝からしっかりいただきました。ごちそうさまでした!

腹ごなしに、巻の町を散歩してきましたよ。

 

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巻神社におまいりしてきました。ナベは何を祈っているのでしょう。

 

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巻の郷土玩具、鯛車(たいぐるま)。

昔はこの中にロウソクを立てて、お盆に子どもが引いて歩いたのだそうです。想像するダニ、幻想的ですねえ。昭和の中頃というから30年代でしょうかね、その頃からすたれてしまったと聞きますが、いま復活プロジェクトの最中とのこと。商店街のあちこちに飾られていました。

 

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こういうのもカメラにおさめずにはおれない自分がいます。

さて、ナベが車でどこか連れていってくれるようです。しかし、いい後輩だ…。

 

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ザッツ・日本海な風景も味わいつつ到着したのは……

(ちなみにこのとき私の心には森昌子が流れていました) 

新潟ワインコース

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新潟ワインコーストです。ご覧ください、一面にひろがるブドウ畑! もちろん収穫は終わっていますが、広々としてなんとも気持ちがいい。

ここには、 

  • カーブドッチ
  • フェルミ
  • ドメーヌ・ショオ
  • カンティーナ・ジーオセット
  • ルサンクワイナリー

これら、5つのワイナリーが集まっています。新潟ワインはじめ、国産ブドウのみを使用した日本ワインの注目度、飲食業界において今とても高まっているんです。知人のライターや編集者も次々とここを訪れていて、行ってみたかったのですよ。

  

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各ワイナリーには試飲スペースのあるショップがあります(試飲は有料・無料あり)。ここまで大規模にあれこれ国産ワインを試飲でき、同時に生産者とも会話ができるところはなかなかありません。ベーカリーやレストラン、さらにはスパもあるんですよ。

「結婚式場としても人気なんですよ。友人がここで式をあげました」

おお、ナベがいきなり発言してきました。そうなのか。ちなみに私も会ったことのある美容師のKさんだそう。ほおお。Kさん、大昔にうちで鍋食べたの覚えてるかなあ。

 

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こちらはカンティーナ・ジーオセットのワインショップ。

 

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エチケットも可愛いですな。

今回、5つのワイナリーで24種類ぐらい試飲しました。有料のところは量もそれなりにあるので…けっこう、酔っ払います(笑)。ある程度「何を試してみたいか」事前に絞り込んでおくのもオススメ。

 

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ルサンクワイナリーの醸造家、阿部隆史さん。いちばん新しいワイナリーだそうです。「この人が仕込んで作ったんだなあ…」と感じつつ、ワインを注いでいただく。毎回酒造りの場に訪れるたび、造り手から注いでいただくと格別のものを感じます。

おもしろいニュアンスのカベルネ・ソーヴィニヨンを1本買ってきました。開けるのが楽しみだ。

 

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こちらはフェルミエのレストラン兼ショップ。「ピッツァがうまいんですよ」とナベ。うーん、今回は残念ながらパスしましたが、次回はゼヒ。リッチな味わいのシャルドネを1本買ってきました。マダムがとても魅力的なかたでしたよ。店内もすごく雰囲気がありました。

 

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冬の澄んだ空からさす日射しと乾いた風。気持ちのいいことこの上なく。

 

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ここはガーデンレストランだったかな。バラの木がたくさんありました。

 

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さて、東京でも人気のカーブ・ドッチへ。試飲も充実、大体どこも1杯100円~200円でした。ここでは結局2本買ったんだったかな。年明けの日本ワイン会が楽しみ。

 

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このグラスも可愛くて気に入り、2つばかり購入。他のワイナリーで買ったワインもまとめて送ってくれます。

 

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カーブドッチではベーカリーが併設されていて、これがなんともうまそうで。たっくさん買い込んできましたよ! ラムレーズン入りのブリオッシュ、甘栗かぼちゃブレッド、そしてコッペパン。どれもおいしかったなあ…。朝食がしばらく充実しました。プレーンな食パンも買ってきましたが、これもまたお見事。そうそう、メロンパンもすばらしかったです。甘いパンはあまり普段はいただかないのですが、童心にかえってパクつきました!

さて、次はナベおすすめのラーメン屋さんへ。

 

『こまどり』の味噌ラーメン

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 ちょうどお昼どき、地元のお客さんで大賑わいだった『こまどり』へ。もともとは焼き鳥屋さんで、昭和48年にラーメンを始められたそう。駐車場はなんと600坪! ちなみにHPで「巻駅から徒歩50分」とあるのに笑いました。

  

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 ラーメンの種類も豊富なんですが、つまみも多いんです。この日は日曜日、昼酒を楽しむ人も多くて、なんとものどかで、楽しい光景。

 

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地ビールのエチゴビールの生があるってのがうれしいですねえ。コクとすっきり加減のバランスがとってもいい。醸造所もそばにあるんです。

www.echigo-beer.jp

 

 

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気になってオーダーしたのが「よもぎ餃子」(525円)、よもぎとエビの荒く刻んだのがあんに練り込まれていて、さっぱりした味わい。自家製のポン酢ダレがおいしくて、ビールのよいアテになりました。大ぶりで1個が83gぐらいあるそうですが、するっと入ります。

「モツ炒めとカニサラダもうまいんですよー。今度また食べに来てください」とナベ。うーむ…頑張りたかったが、それではラーメンが入らん! 泣く泣くあきらめました。

 

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さて、人気定番メニューという味噌ラーメン(714円)が来ましたよ。自家製太麺は食べごたえがありましたが、スープはあっさりとして食後に重くない。ひと口目でガツンと満足感…というより、次の日、翌々日に「また食べてみたいな…」と思わせる、ジワジワくる感じ。飽きられずに長年支持されているというのも、納得でした。

 

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ワインのあとに味噌ラーメンってのもいいもんですね。うまく撮れませんでしたが、雪がちらついてきましたよ(車内から撮っています)。

さて、そろそろ家に帰ろう。ナベが燕三条まで送ってくれました。

いろいろ本当に、ありがとう。

 

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帰りの新幹線から。越後湯沢は墨絵のようでした。

 

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そして熊谷からの富士山。

明日からまた日常です。