白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

郷土の食、健康と食をテーマに書いています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『にっぽんのおにぎり』『にっぽんのおやつ』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)。2016年10月に『にっぽんのおかず』が発売になりました。3部作完結!

新潟へ ~前編 『割烹 渡辺』、のっぺ、高千代と麒麟山

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上越新幹線の車窓からの眺め。

 

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 熊谷あたり、富士山がきれいに見えるんですねー。恥ずかしながら、きょうのきょうまで知りませんでした。東海道新幹線から見るのとまったく違う雰囲気に、しばし見惚れました。

さてこの日は一路、新潟へ。新発田で親戚の法事があったのですが、その帰りにせっかくなのでいろいろと寄ってきましたよ。

 

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トンネルを抜けて越後湯沢入った瞬間、こんな感じでビックリ! 向こうのほうが雪煙で見えません。瞬間的にユーミンの「ブーリーザー オーブリザー」が心の中に流れてきましたとも。スキーなんてもう23年ぐらいやってないなあ…。

 

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でも、雪深かったのは浦佐のあたりまで。新潟市に近づくにつれまた晴れて、雪もまったく見当たらず。写真は阿賀野川。けっこうな大河なんですね。

 

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さ、新潟駅越後線に乗り換えて40分ぐらいだったかな、「巻駅」にやってきました。昔は西蒲原郡巻町だったのですが、市編入で西蒲区になったエリア。

 

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駅から歩いて3分ぐらい、『割烹 渡辺』さんが今宵の食処です。古い友人がこちらの息子さんなのですよ。まだ夕食まで時間があるので、ナベ(と呼んでいます)が車を出してくれました。「いい酒屋さんがあるんですよ」とのこと。ほうほう。

 

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長谷川屋さん。 いやはや、日本酒と日本ワインの品ぞろえ、すばらしかった! テンション上がりましたー。最近日本ワインに興味津々なので、のっけからいろいろと買い込んでしまいましたよ。

 

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若い店員さんがアテンドしてくれましたが、首都圏の酒販店で経験を積んでいろんなパイプを築き、こちらに戻ってさらにお店を拡げられているよう。彼の酒語りがあったかくて熱くて、楽しかったです。

何を買ったかは、また。1月に友人呼んで酒会をやるので、そのときにメモしますね。さ、渡辺さんに戻って夕食です。

 

新潟産マガモとおいしい魚介

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今回は新潟産のマガモと魚介のコースをいただきました。この地域では昔から投げ網での鴨猟が行われてきたそうです。味がのったマガモのクワ焼き、下にセリが隠れていてこれがまた佳肴この上なく。鴨のうま味と甘辛いタレとセリのほろ苦さ、すばらしい三角形でした。

 

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つづいて鴨皮の串焼き。なんともきれいなキツネ色。この2つでまずはビールを楽しんで、という板前さんの声が聞こえてくるかのよう。はい、喜んで!ビールをお代わり、そしてまたひと房噛みしめます。ああ、なんと澄んだ脂の味、まったくもってベトつかない。そしてまたビールでのどを潤す。酒好きに生まれた幸せも噛みしめました。

 

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さて、お造り。車エビの両脇にはマグロとタコの湯引き、そして後ろにタイの焼霜づくりが隠れています。

 

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新潟の名物、南蛮エビの塩辛、いわゆる甘エビです。新潟・弥彦の酒「こしのはくせつ」純米吟醸を使用して、あっさり仕上げられた塩辛。もちろんこれは日本酒で。ヒー…幸せ…。エビ、お代わりしたかったな…。

 

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カニを使った飛竜頭と甘鯛のウロコ焼き。お座敷でいただいてたんですが、この一品が出された頃にちらほら雪が舞ってきたんですね。窓から見える夜の雪と燗酒と、そしてお料理からただよう淡い湯気。いい時間でした。

 

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きれいでしょう。

昆布じめした鯛のお寿司で、いくらおろしと菊花を一緒にいただきます。この菊が「りゅうのひげ」といって新潟の伝統野菜。栽培が途絶えていたのを近年地元のみなさんで復活させたのだとか。折々に新潟食の現在が込められています。

このお寿司1カンで1合ぐらい飲めました。酔わせ上手だな。。

 

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ひゃああ! 佐渡の毛ガニです!! うれしい!!!(←大のカニ好き)いやーうれしいなあ。我が家では小さい頃、ごちそうといえば毛ガニだったのですよ。八戸出身の父の意向でしたが、佐渡の毛ガニもうまいものですねえ。初めていただきました。完全にナベを無視してカニと10分ぐらい無言で対峙しておりました。 

 

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突如登場のかわいいカモのうつわ。いま気づいたけど柳にカモだったのですね。フタを開けると……

 

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カモつくねがあらわれます。軟骨入りのおいしいつくね、かたわらには当然のごとくネギが。ああもう、酒が足らぬ!

 

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フィナーレはカモとゴボウのごはん。「そりゃうまいだろう」という声が聞こえてくるかのよう。はい、うまかったんです…。そうだよなあ、ゴボウと好相性だよなあ…良いカモが手に入れば、自分でも作ってみたい。

 

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ここで板長の渡辺大生(ひろお)さん、登場。おいしくいただいてます! 弟さんにはいつもお世話になっております。m(__)m

 

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デザートは白味噌ジェラート、甘く炊かれたクルミ、そしてル・レクチェ(新潟名産の洋ナシ)の蜜煮。柚子香の泡がのっています。ああ、フルコース堪能しました! 新潟のおいしいもの、いっぱいに満ちたコースでした。

 

こちらの『割烹 渡辺』さん、お酒の持ち込みができるのも魅力的。近くにはカーブ・ドッチはじめワイナリーもあるので、そこで試飲して購入したボトルを持ち込むのもいいですね(このワイナリー施設のことは明日のブログに詳述します)。もちろんさっきの長谷川屋さんで買ってもいいですしね。持ち込み料、たしかワイン1本で千円だったような。安い。

 

まだ食うか

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さていきなり、新潟名物「のっぺ」です。里芋中心に根菜たっぷり、鮭アラやかまぼこなどの練り物、そして干しシイタケが欠かせない煮もの(といっても煮上げず、汁気が肝心なのですよ)。うまいんだ、これが。一度作って、冷めたところを食べることが多いと思います。新発田の母の実家も、暮れになると大鍋で作って、ずっと台所にありましたねえ。

ナベと近所の居酒屋『一心』さんに移動して、飲み直しました。「まだ食うか!」って感じですな(笑)。

 

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魅力的なメニューたっぷり。さすがに腹いっぱいでのっぺ以外は食べられなかったなあ。次回再訪します!

 

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ちなみに『一心』さんの壁にはジャネット・リンさんがいました。「おおお、銀板の妖精!」とか叫んでたら女将さんが「いたわよねえ」と話しかけてくれましたが、ごめんよ女将さすがに現役時代は知らないよ……。

 

まだ飲むか

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はい、この日のフィニッシュ。新潟が誇る『高千代』と『麒麟山』から四合瓶を1本ずつ、先の長谷川屋さんで買っていたのです。さすがに全部は飲みませんでしたよ(笑)。ナベといろいろ語り合いつつ、美酒をたのしみました。この「きりんざん ぽたりぽたり」麒麟山酒造の社員さんが田植えからして育てた五百万石(酒米の種類)で造られるんですねえ。『高千代』のおりがらみ生、すごーくバランスがよくて飲みやすい。冬の夜をたのしみました。いやはや、バチアタリなほどに。

 

気がついたら夢の中。汗

ナベ、長々つきあってくれて、ありがとうよ。

 

後編へつづく。