白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

青森県・八戸へ

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青森県の八戸(はちのへ)市に行ってきました。

八戸は青森県の一番東側で、太平洋に面しています。南から上がってきて、岩手を越えてすぐのところ。今回は仕事ではなく、家族に会いにきました。父はここで生まれ育ち、第二の人生を八戸ですごしています。

撮影を終えてその足で東京駅に向かい(バタバタでした!)、東北新幹線に乗って2時間44分。ずいぶんと早くなったもんです。

 

このブログでは、食べたものの記録といきましょう。

 

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八戸といえば私はホタテ三春屋という百貨店があるのですが、この地下の水産コーナーがすばらしく充実してるのですよ。プリッとしたホタテ4個で500円。刺身でもちろんいいところを、あえて両面サッと焼きました。半分はバター醬油、半分は塩コショウのみ。ああ、うまいよーーーーー!!! ( ;∀;)

  

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青森県には十三湖(じゅうさんこ)という湖があり、シジミの特産地でもあります。粒のしっかりしたよいシジミがあったので、こちらも即買い。

 

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味噌汁、バツグンでした…しみわたるーーーーッ!

いやはや、東京だと味わえないなあ(売ってますけどね)。滋味至極。「いつもあるからねえ。でもきょうのは確かにおいしい。いいの見つけたね」とは家族の談です。

 

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これ、ナメタガレイといいます。三陸から八戸にかけてとても珍重される魚で、岩手だと地域によっては年越し魚になるんですよ。この身の厚さ! 関東でも売られていますが、こんな立派なのには滅多に出合えない。二切れで1370円でしたが、まよわず購入。

 

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煮つけにするとねえ…もうバツグンなんですよ。思い出してもシミジミします。うまかったなあ…。私は「これを食べずして煮魚を語るな」とまで思います。

 

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食べすぎました。ちょっと散歩。駐車場のフェンスで大根干してる人がいましたよ。

 

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さて、夜は親の行きつけという『手打そば 番丁庵』へ。飲める蕎麦屋さんです。いいアテがいっぱい! まずは大好きなホヤの塩辛から。なんとも濃い潮の味。 

 

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 開店と同時に入りましたが、このあと3組がぞくぞくと。うしろに座敷もあります。

 

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お酒の下に南部せんべいが敷かれているの、わかります? 「南部」は旧南部藩のこと、八戸もかつての南部地域です。面白い趣向ですねえ。おすすめしていただいたお酒の名前…失念してしまいました! いつもならいろいろと尋ねるところを、親の行きつけということで、おとなしくしていたのです(笑)。

 

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 ご主人のふるさと、函館のヤリイカを干したもの。噛んでみるとほどよい固さで、ワタのコクが生きています。うつわもいいですよね。ご主人はかつて陶芸家を志されていたのだとか。店内にも素敵なお皿が並んでいます。

 

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蕎麦生地を四角に切って、チーズをはさんで揚げたもの。南部地方の郷土料理で「そばかっけ」というのがあり、四角く切った蕎麦生地をゆでてニンニク味噌で食べるんですよ。そのアレンジ。スーパーでもこの「かっけ」生地、売られています。

 

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ラム酒に漬けたレーズンたっぷりのかぼちゃサラダ。日本酒ってこういう味わいもアテになるから面白い。

 

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お蕎麦も実に結構でした。実家のそばにこんないいお店があるとは。実家…といっても私は住んだことはないのですが、帰省する楽しみが増えました。

 

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さあ、日常に戻らねば。

帰る日は、信じられないぐらい暖かい日でした。

 

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戻りの駅弁は八戸名物「小唄寿司」に。粋なネーミングですよね、三味線のバチを模したもので切り分けて食べます。ちなみに容器は三味線の「胴」を模してます。サバとニジマスの押しずし。これ、思い出の味なんですよ。小さい頃に父がよく買ってきてくれました。 昭和35年発売だそう。父が中学生ぐらいの時にできたんだな。

そういや、昔は笹の葉柄のビニールだったような…?

 

いつまでも家族には元気でいてもらいたいものですな。

今回の帰省、雪が降る前に墓参りもできて、よかったです。