白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

キノコのクリームパスタと、レフ・オボーリン

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夏に買った干し網、再登場です。

秋晴れが続いてきたので、また引っ張り出してきました。きょうはキノコ干し。

 

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ブナシメジ、エリンギ、そしてエノキ、ほどよく水分が抜けました。午前9時ぐらいから吊るして、15時過ぎぐらいにはいい感じに干し上がりましたよ。

 

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チキンスープで軽くもどして、ベーコンと黒コショウでスパゲティにしました。以前に干したヒラタケも入ってます。香りも歯ごたえもよくなって、いいものです。

 

さて唐突ですが、印象的なピアノ演奏と出合いました。

かなり前の録音ですが、あまりに感銘を受けたので貼っておきたいと思います。

1971年、モスクワでのTV録音のよう。

 

チャイコフスキーの『四季』というピアノ曲集より十月、「秋の歌」とよばれる作品です。独奏者はレフ・オボーリン

10代の頃、この「秋の歌」を知ったときは「盛り上がるようで盛り上がらず、まとまりがなくてダラッとしてて、いつしか終わる」なーーんて思って、興味がもてませんでした。不遜もいいところですねえ。

最近ふとしたことで再会し、実に心に染み入りました。私も人生の秋なんでしょうかね。以来いろんな人のを聞いていますが、このオボーリンが今のところベスト。

哀感に満ちつつもさらりとして、短歌の名作のような寂寥感に胸を打たれました。

 

オボーリンは第1回ショパン・コンクールの覇者で、1907年生まれ。当時のソビエト連邦のピアニストです。しかし時代の脚光はギレリスやリヒテルにあてられました。そのあたりのことは音楽ジャーナリスト、伊熊よし子さんのサイトに詳しいです。彼女がオボーリンの弟子である、あのアシュケナージにインタビューしたときのことがつづられています。

 

私も、オボーリンを生で聴いてみたかった。今度、タワレコでCDを探してみよう。