白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

飯台と弁当、そして南部菱刺しのコースター、蛇足で成駒屋さんのこと。

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飯台を手に入れました。うれしい。

さっそくちらし寿司を作ったんですが、それは『栄養と料理』の連載のほうで使うので、いずれまた。最初に米のとぎ汁を3~4時間張ってから使うのですね。知らなかった。サワラの木の香り、いいですねえ。かぐわしい。

 

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牛丼弁当を作りました。

フェイスブックに載せたらいつもより反応が多かったな。女性からも好評でした。「お弁当のおかずは3品でじゅうぶん」とはある料理家さんの言葉。いろいろ少しずつ詰まったプロっぽいお弁当もいいけれど、家庭の弁当は「その3品をどう作り分けるか」が醍醐味でもありますね。この「肉・野菜・玉子」という構成は王道というか。

最近、チェダーチーズを入れた玉子焼きにこっています。和食にも不思議と合う。野菜は万願寺の焼きびたしです。ここに手づくりの香の物で添えたいところですが、減塩も考えてカット。

 

 

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なおどんかんぱにー』さんのコースターをいただきました。青森の伝統の技「南部菱刺し」を自由にアレンジされたものと、伝統的なものの2枚。うれしいなあ、大切にします。

 

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こういうカラフルなモダンアレンジ、すばらしい。なおこさん、ありがとう。

 

蛇足

この日は週刊文春を読んで、驚きました。

「不徳のいたすところ」と歌舞伎の成駒屋さんが話題でしたが、私は常々「あの世界にあれこれ外野が言うのはヤボというもの」と思っています。一般的な倫理観をはめこもうとしても無理な世界、というか。

このようなことを書くと最近はやりの「不謹慎狩り」にあうかもしれませんが(実際ツイッターでは一件ありました)、歌舞伎界の浮気だ不倫だに関して「ふしだらだ! 反省しろ!」というのはお門違いだと思うのです。あえて言うとするならば「芸のこやしタップリなわりには本芸がイマイチですね」というのが今回の場合、正しいツッコミだと思います。玉三郎にしろ勘三郎にしろゴシップ・ジャーナリズム的にはかなりきわどく突っ込まれてきた人たちですが、本芸が良いので毎度たいしたダメージにもならず。あの世界は舞台が立派ならそれでいいのです。タレントさんのようにCMや「普段のイメージ」で稼いでいるわけじゃなし。

 

と…そんな気持ちでいたのですが、この週の文春のグラビアは、すごかった。「プロカメラマンの仕事見させてもらいました!」という気持になりましたね。「お相手」がお練りをゆく橋之助を見つめるまなざしをとらえたショットが…まあ見事の一語。もはや映画のスチールとしか思えず。いとしき人を一途に見守り、「ひと目見られるだけでわたしは嬉しいの…」という情愛が濃厚に漂ってきて、私は胸を打たれました。旧式の「日陰の女」情緒そのままで「新派か!」と思うほどに。

いや、それだけなんですけどね。さして興味もなかったのですが「芸妓が間夫を見つめる構図」としての完成度がすばらしくて、変に古典芸能の力を感じてしまいました。あの芸妓さん、踊りうまいのかもしれない。

 

久々に芸能のことブログに書いたな。