白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

秋の自由研究「ボルシチ」2回目

 

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近所のスーパー、定期的に「ちょっとめずらしい食材も入れてみよう!」と

頑張るのですが、やっぱりレア食材。いきなり人気が出るはずもなく

「見切り棚」に直行…という悲しいケースが多発しております。

そしてビーツが最近、そのコースの常連となっているのですよ。

多分そのうち仕入れもなくなるんだろうなあ…と思いつつ、

よく買っては、ボルシチを作ってます。今秋の自由研究のテーマ。

 

前につくったのはこんな感じ。

しかしなんともみごとな、紅!

紅天女ってビーツの精なのかも。

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前回入れなかったキャベツとセロリと加えて、

トマトとケチャップを入れないレシピで作ってみました。

萩野恭子さんの『ロシアのスープ』(東洋書店)を参考にしています。

ロシア料理本、探してるんですがなかなかありませんな。

いいものご存じのかた、よかったら教えてください!

hakuoatushi416@gmail.com 

 

ビーツ、独特のだしが出ておいしくなるものですねえ。

 

乾しキノコのボルシチやら、塩漬け豚でつくるボルシチやらいろいろレシピがあり、

この冬にいろいろ試してみようと思います。池尻の『サモワール』にも行きたいなあ。

 

ただし、ビーツって仕込み中なかなか凄いことになります。

 

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むいたビーツを握ったら、こんな感じに。

 

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殺人鬼のドラマのひとコマみたいですが、ビーツを切ったあとの包丁とまな板。

(※すぐ水で流せばきれいになります)

なんか変な小芝居したくなりますよ。(;^ω^) 

赤い色素はベタシアニンと呼ばれるもので、やはり抗酸化作用が期待できるようです。

 

ボルシチによって、サワークリームの良さにも目覚めてきました。すっぱコク深。

これ、減塩にも役立ってくれそうなアイテムです。

 

 ◇あれこれメモ

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女優の加藤治子さんが2日、亡くなられました。

92歳という高齢とはいえ、やはり残念で、さびしいですね。

すばらしい演技力で、昔ビデオで観た『阿修羅のごとく』の長女役が忘れられません。

熱演でないのに凄絶。少し引いてるというか、役とかドラマとか芸術に対してクールなところがある。それでいてどこか霊的な芝居をする「おもしろい」女優さんだったと思います。コメディからシリアスまで出来たひと。

ご冥福をお祈りいたします。

 

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街角にはセンリョウがなっていました。年末感が増しますねえ。