白央篤司の独酌ときどき自炊日記Ⅱ

フードライター。郷土の食、栄養、暮らしと食をテーマに執筆しています。連絡先→hakuoatushi416@gmail.com 著書に『自炊力』『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)など。メシ通『栄養と料理』『ホットペッパー』などで執筆中。

西荻の夜 その1『善知鳥』

 

『善知鳥』と書いて、うとうと読みます。

 

 以前は阿佐ヶ谷でやっていらした居酒屋さん。

「すばらしいよ。特にお燗の腕がバツグン!」

 友人のくいしんぼう画文家、Oさんがそう仰っていたので、行かなくてはと思っていたら…残念ながらの閉店。

 5年を経て、このたび西荻窪で再開されました。おめでとうございます。

 

 早速、うかがってきましたよ。

 

f:id:hakuoatsushi:20150401142326j:plain

 

 かなり入口、わかりにくいです。でも夜はこの灯りで目立つかな?

 2階にあるお店です。まだ明るいうちに行ったので、かなりウロウロしてしまった。17時からやられています。

 

 

f:id:hakuoatsushi:20150401144107j:plain

 まずは青森の美酒『豊盃』生しぼりをいただきました。

 すばらしいフレッシュ感、きれいなうまみにうっとり…ああ、嬉しいなあ。

 

  お通しが水菜、釜揚げ桜えび、しらすの山椒和え。うーん…なんていいお通しだろう。

 

 その後、ご主人に『喜久酔』のお燗をつけていただきましたが、これが素晴らしかった。

 やっぱり「お燗の手」を持っているひとだなあ、と感じ入りました。

「そんなたいしたもんじゃありませんよ(笑)」

 いえいえ、いっぺんでファンになりました。こういうこと、あんまり難しく考えるのも嫌いなのですが、ちょっとしたコツやタイミングがあるんでしょうね。

 料亭や古式ゆかしい飲み屋では「お燗番」というポジションもあるぐらいだから、ひとつの「talent」なんだと思います。

 ちょっと、お燗観が変わりました。

 

 ご主人は津軽のご出身。青森おでんがつまみにありましたよ。ショウガ味噌でいただきます。根曲がり筍が食べられて、嬉しかった。

 そして絶品だったのが、手作りのはんぺん!!!

 

 自分史上最高でした。これホント。ホントのはなし。

「甘鯛とかタラ入れてつくったんですよ。でもこれ大変だから、きょうで最後かも」

 もしも近日中に行ってあったら絶対食べてみてほしい。あとおでんの具でシュウマイもあるんですが、これも実に良かった。

 

 さてそんな食べものもの、新しいカメラにしたもんで不慣れがあり、撮れてませんでした……(´;ω;`)

 

 赤ホヤの塩辛がかろうじて残っていましたよ。これも上質なホヤだったなあ。

 

f:id:hakuoatsushi:20150401142340j:plain

 

 またすぐにでも行きたいお店です。