この時期よーく言われることですが、何度年忘れしたら気がすむんでしょうね(笑)。
しかし、『馥や』(ふくや)さんのフェイスブックで「鴨鍋はじめました」の文字をみたら「い、行きますッ!」と連絡せずにはおれませんでした。好きなお店なのですよ。
こちらはお蕎麦屋さんで、鴨鍋は寒い時期のスペシャリテ。食関係のライターさん3人に声がけして、いざ小伝馬町へ!
馥やさんのつまみ盛りはすごい
さて、馥やさんに行ったらぜひ頼んでほしいのが、つまみ盛り合わせ(2000円~)。これで一人前、酒好きならたまらない、夢のルックスじゃないでしょうか。毎度出されるたびに「ワーッ!」と歓声が上がります。
この日はひたし豆にわさび漬け、クリームチーズの金山寺味噌漬け、菜花の昆布じめ、酢ダコにシメ鯖に根室のウニ…ああ、思い出してもうっとりでゴンス。
盛り合わせより、ズワイガニのカニ味噌和え。あっはははははーカニ好きなんですよー。思わず嬉しくて笑っちゃいました。さっきからもう、目尻下がりっぱなし。
これ、素晴らしかったな。わら焼き寒ブリのヅケ。ご主人・ネモトさんのセンスが光ります。ぴっかぴか。うまかった…三切れという量も厚さもこの時期のブリの味わいにちょうどいい。
私の大好物、馥やさんの蕎麦みそ。「これだけで2合は絶対いける!」と友人にも大好評でした。カリカリと蕎麦の実がたっぷり、鴨ひき肉も入っています。単品でもありますよ。
日本酒はこの2つをじっくりと。
東京・東村山市で造られる『十右衛門』と、長野・上伊那郡の酒『今錦』です。どちらも美酒! 普段はボトルは出されず片口だけのところを、お願いして見せていただきました。
先のおつまみで永遠にチビチビとやれそうですが、そろそろ鍋にいきましょう。
どうです、このボリューム! 鴨に鴨つくね、キノコに白菜にゴボウ、そしてセリがたっぷり。
4人でうかがい、「けっこう量が多いので、3人前でいいと思います」と言われたのですが、それでもタップリでした。二人前でもよかったかも。食べても食べてもなくならず、ぜいたくな内容でしたよ。
真ん中の細いの、なんだかわかります? セリの根っこです。セリはここがうまい。根を入れると香りが段違い、きりたんぽ鍋でも本来は必須のものです。
最後はこんなふうに玉子とじにしていただき…
蕎麦でシメます。いやはや…満足!
忘年というより、ひと足先に舌のお正月でした。
ごちそうさまでした。来年もがんばろう。
見送りに出てくださった、ご主人のネモトさん。『馥や』という屋号はおばあさまのお名前なんだそうです。フクヤさん。この「馥」という字、得も言われぬよい香りを示す「馥郁」という言葉の、あの字です。
初めて来た日のブログ
こちら、初めて来たのはいつだったろう…と思って検索したら、2014年の8月でした。その頃はちょうどオープンされて一カ月、奇しくも、私の最初の本『にっぽんのおにぎり』の第1回目の打ち合わせを終えた日(近くに版元の出版社があるのです)。
縁を感じて、以来折々でお世話になっています。『にっぽんのおかず』の壮行会もこちらでしていただいたなあ。
ネモトさん、来年もどうぞよろしく!